スウェーデンにあるソニーモバイルコミュニケーションズの開発拠点を徹底取材した。同社のユーザー体験/ユーザーインタフェースの専門家らへの取材を通じて、スマートフォン「Xperia」の開発アプローチに迫った。最終回となる今回は、開発者支援を担当するカール-ヨハン・ダルストローム氏が語るサードパーティとの協業である。


 ソニーモバイルコミュニケーションズは、サードパーティ(外部の開発者)との協業に積極的なスマートフォンメーカーの1社である。開発者向けの情報提供やイベントへの参加などを通じて、サードパーティのアプリ開発を支援している。

 もちろん、アプリ開発におけるサードパーティとの協業は、パソコンメーカーからスマートフォンメーカー、ソーシャルメディア提供事業者など多くの企業が取り組んでいる。そうした中、ソニーモバイルならではのユニークな協業活動の例として、スマートフォンの周辺機器を活用したアプリ開発が挙げられる。

 例えば、スマートフォンとBluetoothで接続できる腕時計型の機器「SmartWatch」は、サードパーティも対応アプリケーションを作成できる。電子メールやFacebookなどのビューワ―としてSmartWatchを活用するアプリなどがある。

写真1●ソニーモバイルが発表したNFCタグ
写真1●ソニーモバイルが発表したNFCタグ
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、2012年にはNFC(Near Field Communication)対応のタグも発売(写真1)。ソニーモバイルとしては「アプリの起点になる使い方、例えばスマートフォン同士をタッチすることで、無線LAN(Wi-Fi Direct)のコネクションが確立されることなどを想定している」(ダルストローム氏)と説明する。その一方で、サードパーティの発想にも期待しているという。「自分たちとは違った活用例を楽しみにしている」(同氏)。

 このほか、ソニーグループが提供するタブレットやテレビ、ゲーム端末などとの連携も今後進みそうだ。既にAndroid端末の上でPlayStation向けのゲームタイトルを遊べるようにする「PlayStation Mobile SDK」の提供などが始まっている(PlayStation Mobileのページ)。