重要性が増す一方のスマートフォンや携帯電話といったモバイル機器。その多くには、個人情報が大量に保存されているだろう。第三者に悪用されないためには、きちんと対策を施す必要がある。

 手軽にできる対策の1つは、機器にパスワード(パスコードやパスフレーズなどとも呼ばれる)を設定すること。パスワードを設定しておけば、一定時間操作しないでいると機器がロックされ、機器の悪用や保存した情報の盗み見を防げる。

 ただし、安易なパスワードを設定するのは厳禁。せっかく設定しても、簡単に破られる恐れがある。

 実際、安易なパスワードを設定しているユーザーは多いようだ。例えば、米国のあるアプリ開発者は、自分が配布するアプリに設定されているパスワードから、iPhoneに設定されているパスワードを推測。その結果を、「iPhoneで設定されがちなパスワード」として公表した(表A)。

表A●最も多いパスワードは「1234」
表A●最も多いパスワードは「1234」
iPhoneで設定されがちなパスワード(パスコード)トップ10。米国のアプリ開発者が、自分が作成したアプリに登録された20万件以上のパスワード情報を基に分析した。

 それによると、最も多いと推測されたのが「1234」。以下、「0000」「2580」「1111」「5555」「5683」「0852」。

 いずれも単純な数字列。一見複雑に思える「2580」は、キーパッドの真ん中の列を上から順に押した数字になる。「0852」はその逆だ。

 「5683」は、「LOVE」を表す数字列だという。キーパッドに書かれているアルファベットを、「L」「O」「V」「E」の順に押すと、「5683」になる。

 モバイル機器によっては、設定を変更すれば、より複雑なパスワードを設定できるので活用しよう。

 例えばiPhoneでは、初期設定のパスワードは前述のように4桁の数字列だが、設定を変更すれば、長いパスワードを設定できるようになる。数字だけではなく、アルファベットや記号を含められる(図A)。

図A●複雑なパスワードを設定できる
図A●複雑なパスワードを設定できる
iPhoneのパスワードロック解除画面例。初期設定では、パスワードは4桁の数字(左)だが、設定を変更すれば、アルファベットや記号も含んだ自由な文字列をパスワードにできる(右)。

 具体的な設定方法は、以下の通り(図B)。「設定」アイコンをタップして、「一般」→「パスコードロック」を選択し、「簡単なパスコード」を「オフ」にする。そして、現在のパスワードを入力すると、新しいパスワードの入力画面が表示される。

図B●設定で「簡単なパスコード」をオフにする
図B●設定で「簡単なパスコード」をオフにする
iPhoneのパスワードロック設定画面例。「設定」アイコンをタップして、「一般」→「パスコードロック」で表示される。「簡単なパスコード」を「オフ」にすると(左)、複雑なパスワードを設定できる(右)。

 同様の設定は、Android搭載スマートフォンなども備える。自分の機器でも可能かどうかをチェックし、可能なら複雑なパスワードを設定することをお勧めする。