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超上流のアンチパターン

業務改善のはずが現行システムの焼き直しに

思い違い症候群

上山 和子=ファイブポイント 2012/08/01 ITpro

 システム開発の上流工程では、どのようなシステムを作るのかという要件を定義していきます。この段階で、間違った進め方をしてしまうと、システム化の本来の目的を見失い、役に立たないシステムが出来上がることになります。

 今回は、このシステム要件の定義に失敗したケースについて見ていきましょう。

病状:現場まかせで業務効率化を実現できず

イラスト:山崎 直子(マナスリンク)

 流通業のK社では、基幹システムの老朽化に伴いシステムを刷新することが決まりました。人手を要する無駄な作業が目立つこともあり、システム化の承認を受ける際に経営管理部のS部長が作成した計画書には、システム化の目標として「業務改善により効率化を図る」ことが明記されています。

 システム化にあたっては、S部長に代わり情報システム部のT課長が全体のとりまとめを担当することになりました。

 システム開発ベンダーを選定した結果、X社がシステム開発を請け負うことになり、T課長は、X社にK社の求めるシステムについて伝える必要があると考えました。そこで、各部門の業務担当者に対して、X社に現行システムの機能を説明した上で、現状の問題点や新システムへの要求を伝えるように指示をしました。

 各部門の業務担当者はT課長の指示を受けて、現行システムの機能説明とシステム上の問題点、新システムで実現したい要求事項について、X社に説明しました。業務担当者は、現行システムで不便に感じている部分が改善されれば作業効率が上がる、と新システムに期待を寄せています。T課長もそんな現場の声を聞き、新システムの導入によって、S部長の計画書にある「業務改善により効率化を図る」が実現できると考えました。

 各部門とX社の打ち合せが終了し、X社から新システムの要件定義書が納品されました。X社から納品された要件定義書をもとにT課長は、K社の社長や各部門の責任者からなるステアリングコミッティで報告しました。ところが、S部長から「これでは、今までと変わらない。全く業務改善にはなっていないじゃないか」と叱責され、やり直すこととなってしまいました。

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