今回は連載の最後として、あなたが平社員で組織の末端にいる立場でも、上司や先輩を巻き込んで組織を動かすためにどうすればよいかを考えていきましょう。組織末端から全体を動かすという壮大なテーマです。

 これまで3回の連載で説明してきたことを復習してみましょう。

1.自分に閉じないこと(自分が一生懸命やっているなら、他人も一生懸命)
2.物事は因果で考える(考え方を変えれば、行動か変わり、結果が変わる)
3.ジレンマはWin-Winの解決策が必ずある(思考のボトルネックはWin-Winで解ける)

 今回はこの3つで改革を成し遂げるためにどうすればよいかを考えていきます。

誰を巻き込むかで結果は変わる

 巻き込む相手を間違えれば、永久に願いは成就しません。ですから改革を仕掛ける第一歩は、仕掛ける価値のある相手を見抜くことなのです。

 連載第1回の冒頭に「自分に閉じないことが大事だ」というお話をしました。良い上司・経営者は常に高い視点を保ち、全体のことを考えています。これとは逆に、巻き込むに足らない上司は、自分に閉じて、自己の保身を大事にします。

 私の経験からいえば、巻き込んではいけない上司はこんな人です。

 主語が「私(一人称)」である人。成功を語るときには自分を主語にし、失敗を語るときには自分ではない誰か他人に責任を押しつけ、自身はいかに努力したかを語る。

 こんな上司には近づかない方が安全です。