受験者数と合格者数の推移

 情報セキュリティスペシャリスト試験は、共通キャリア・フレームワークのレベル4に対応する高度区分の試験の一つです。情報セキュリティ機能の企画から要件定義、開発、運用、保守に至る一連の業務に関する知識を有し、情報セキュリティ技術の専門家として情報セキュリティ管理を推進・支援するための実践能力が要求されています。

 ここでは、平成22年度春期から平成24度春期までに実施された、過去5回における応募者・受験者・合格者の推移を見てみましょう。

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 応募者数や受験者数に大きな変化はなく、合格率も13%~15%程度で推移しています。受験率は65%程度と低く、実際に受験した方々の能力レベルから考えると、この合格率は決して高くありません。このように情報セキュリティスペシャリスト試験の難易度は高く、合格のためには事前の受験対策が必要になります。

平成24年度春期試験の得点分布

 情報セキュリティスペシャリスト試験を含む高度試験では、多段階選抜方式と呼ばれる採点方式が採用されています。この方式では、午前I試験の得点が基準点(60点)に達しない場合には、以降の試験(午前II・午後I・午後II試験)の採点は行われずに不合格となります。午前II、午後I試験も同様であり、得点が60点に達しない場合には、以降の採点は行われずに不合格になります。

 ここでは、平成24年度春期試験における午前I・午前II・午後I・午後II試験それぞれの得点分布と合格率を見てみましょう。

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午前試験

 最初に実施される午前I試験は、受験者数は7091人、合格者数は4052人、合格率は約57%です。次に実施される午前II試験については、午前I試験の免除者を含む採点対象者は1万6446人、合格者は1万666人、合格率は約65%です。平成24年度春期の午前I試験の合格率は約57%であり、半数以上の受験者が合格していますが、逆に考えると4割強の受験者が不合格になるとも考えられます。

午後試験

 午前I・午前II試験に合格した1万410人(午前II試験の合格者1万666人より少ないので、受験番号等の誤りがあったり欠席したりした受験者がいると想定される)のうち、午後I試験の合格者は4888人、合格率は約47%です。午前試験を合格できる実力をもつ受験者であっても、約半数以上が不合格になっていることを考えると、なかなか厳しい合格率といえます。さらに、午後I試験まで合格した4888人(実際の採点対象者は4880人)のうち、合格者は2707人、合格率は約56%です。午後I試験まで合格する実力者であっても、4割強が不合格になると考えると、決して高いとはいえない合格率です。