平成24年春期に実施された基本情報技術者試験の出題傾向を見ていきます。試験の出題範囲や試験時間、合格基準、これまでの過去問題などは情報処理推進機構のサイトをご覧ください。

合格に向けて

 午前問題は、シラバスの分類による出題率に変更はありません。新しい傾向の問題が2割程度のあるものの、過去問題からの流用が多く見られたこともこれまでと同様です。難易度的には標準といえるでしょう。過去問の演習でしっかり準備をしてきた人は、十分合格ラインに達したことと思われます。

 午後問題も出題ジャンルはほぼ固定です。必須問題である問8のアルゴリズムの問題の難易度は中程度でしょう。CASL選択者にやや有利かと思いますが、他の言語の選択者であっても、十分対応可能な設問になっていました。

 問1~問7の選択問題ではストラテジ系の問題が、やや難しかったという印象があります。それは、単純に解答を問題文から拾うだけでなく、論理立てて考えさせる問題だったからです。

 問9~問13のプログラミング選択問題は、それぞれの難易度の差は小さいといえるでしょう。ただ表計算でマクロの問題が2題出題されており、今までのように「プログラミングが苦手だから表計算」と安易に考えることはできなくなってきているのが、特徴的でした。

 午前試験の対策としては、「過去問題の演習を中心に」というスタイルの中で、すべてのテーマを均等に学習するのではなく、取捨選択をするとよいでしょう。学習時間に対する見返りが大きい=得点に結びつく分野を中心に学習を進めましょう。「ストラテジ系の用語を覚える」など、出題頻度が高く深い理解がなくとも得点に結びつく分野は積極的に学習を進めましょう。

 午後試験の対策としては、次の点が挙げられます。

・問題文の読解力を養う
・基礎知識は午前試験の対策で身につける
・アルゴリズムは満点を狙わない
・プログラミングに自信がない人は表計算を選択する

 さらに、問題を選択する際には、次のような注意が必要です。

・問題文ではなく設問と解答群を見て選ぶ
・計算問題を「選択しない/選択する」を決めておく

 何を答えなければいけないかは、設問を見なければ分からないからです。また、問題文は一見難しそうでも、設問を見ると易しい問題もあるためです。

 また、計算問題は得手・不得手がはっきりとします。苦手な場合は選択しない/得意な場合は積極的に選択する という方針を決めておきましょう。