ソニーの「VAIO Tシリーズ」は、同社初となるUltrabookだ。ヨーロッパでの発表後、6月に日本でも販売が開始された。
UltrabookはIntelが提唱した薄型ノートPCの規格である。最近は14~15インチの大型Ultrabookも登場しつつあるが、VAIO TシリーズはAppleのMacBook Airと同じ11インチと13インチという2モデルをラインナップ。モバイルを強く意識した製品となっている。
今回は小型の11インチモデル「VAIO Tシリーズ11」を実際に使ってみたので、その内容を詳しくレビューしてみたい(写真1)。
Ivy Bridgeを搭載、ストレージはHDDとSSDのハイブリッド
今回評価した「VAIO Tシリーズ11」の主なスペックは以下の通り。
CPU | Intel Core i5-3317U 1.7GHz (ターボ・ブースト時2.6GHz、2コア) |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD+32GB SSD (キャッシュ用) |
GPU | Intel HD Graphics 4000 |
ディスプレイ | 11.6インチ(1366×768ピクセル) |
OS | Windows 7 Home Premium SP1(64ビット) |
この評価モデルのシステム構成は店頭モデル「SVT11119FJ」とほぼ同じ。価格はソニーのオンラインストアで10万4801円、量販店では7万5000円程度となっている(7月18日現在)。
CPUとして3000番台のCore i5を搭載しており、現時点で最新となる第3世代のCoreプロセッサー「Ivy Bridge」であることが分かる。第2世代(Sandy Bridge)プロセッサー搭載のUltrabookに比べ、性能向上やバッテリー駆動時間の伸びが期待できそうだ。
ストレージは500GバイトのHDDだが、キャッシュ用に32GバイトのSSDも搭載する。HDDのキャッシュとしてSSDを使うこの仕組みはIntel Smart Response Technology(ISRT)により内部的に実現されており、ユーザーが直接SSDを扱ったり意識したりする必要はない。SSDの高い応答性能を生かしつつ大容量のHDDを活用できる、コストパフォーマンスの高い構成だ。
なおVAIO Tシリーズには、店頭モデル以外にもオンラインで購入できる直販モデルがある。最も低価格なモデルはCore i3と2Gバイトのメモリー、320GバイトのHDDを搭載する「SVT1111AJ」で4万9800円となっている。
さらに、ソニーのオンラインストアで構成をカスタマイズして購入することも可能だ。CPUとしてCore i7-3517U 1.9GHz(ターボ・ブースト時3GHz、2コア)を選択したり、メモリーを6Gバイトや8Gバイトに増設したり、ストレージを128G/256G/512GバイトのSSDに換装するといったアップグレードの選択肢が用意されている。