6回目の今回からは、サプライチェーンにおけるBCM(事業継続マネジメント)の考え方について述べたい。2011年11月に実施された内閣府の「企業の事業継続の取組に関する実態調査」によれば、東日本大震災において業務が停止した企業のうち、自社が被災していないにもかかわらず取引先被災による供給停止を原因として業務停止に至った企業が全体の25.6%に及んだ(図1)。

図1●重要な業務が停止した理由
図1●重要な業務が停止した理由
出典:内閣府「企業の事業継続の取組に関する実態調査」
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 完全に停止でなくとも、影響を受けた企業数では、恐らくほとんどの企業がその影響を受けたのではないだろうか?アウトソーシング・外部委託化の急激な進展と、ICTの発展と並行して進んできた効率とスピードの向上により、過去と比べてサプライチェーン被災時の影響が企業活動に大きな影響を与えるようになっている。従って、自らのBCMのみならず、サプライチェーンを含めたリスクをいかに管理するかが企業の喫緊の課題となっている。

 本稿では、サプライチェーンにおけるリスクの高まりと、そのリスクにどのように企業が立ち向うべきかを数回に分けて述べていく。