EMS(生産委託会社)の台頭で生産が競争力につながりにくくなった現在、上流の製品開発力の重要性が増している。本書は製品開発を効率化する方法として、生産方式とは異なる“トヨタ流”を提案する。

 実はトヨタ自動車は、製品開発プロセスにも一般的な米国企業と異なるアプローチを採用している。例えば「仕様の決定を遅らせ、複数の代替案を並行して走らせ続ける」などの方法だ。直感的には非効率に思えるが、やり直しが減ることで効率化につながるという。このような考え方と具体的な方法を紹介している。

 まず小説仕立てで基本的な発想の理解を促してから個々の手法を詳細に解説するなど、章立てにも工夫を凝らしている。

開発戦略は「意思決定」を遅らせろ!

開発戦略は「意思決定」を遅らせろ!
稲垣 公夫著
中経出版発行
1680円(税込)