「戦略の失敗は戦術で補えない」。この言葉は著者が訴えたいことの多くを一言で語っているのではないだろうか。本書は冒頭の1文を手始めに、日本軍が大東亜戦争で負けた理由を国力の差ではなく、作戦や組織による戦い方の視点から分析した約30年前の書籍『失敗の本質』が描くエッセンスを基に、23のポイントに絞って現代人に解説することを試みたものだ。

 コンサルタントの著者によれば、日本の組織で繰り返される失敗と日本軍の失敗には、重要な共通点が多分に含まれているという。なかでも第1章の「戦略性」は象徴的であり、物事を大きく考えることが苦手とされる日本人特有の失敗パターンに迫っている。

「超」入門 失敗の本質

「超」入門 失敗の本質
鈴木 博毅著
ダイヤモンド社発行
1575円(税込)