前回の記事で、「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/A5 Powered by Windows Azure」(以下、FGCP/A5)のホスティッドサービスに対するアプリケーションの発行は、FGCP/A5管理ポータルからパッケージをデプロイすれば簡単に可能なことを確認しました。

 それでは、FGCP/A5のストレージアカウントやFGCP/A5のSQL Azureについてはどうでしょうか。この2つはデプロイというよりもプログラムから接続して利用する利用先になります。すでにWindows AzureのストレージアカウントやSQL Serverを利用しているWindows Azureのアプリを、そのままFGCP/A5にデプロイして動作させると、FGCP/A5のWebロールからインターネットを経由して元のWindows AzureのストレージやSQL Serverに接続してしまいます。FGCP/A5のストレージアカウントやFGCP/A5のSQL Azureに切り替えるには、サービス構成「FGCP」を作成し適切な接続先情報を設定してあげる必要があります。

FGCP/A5ストレージアカウントを利用する

 ストレージアカウントを使用する場面としては、プログラムコードから利用する以外にも診断を有効にした場合が想定できます。

 まずは、診断を有効にした場合のFGCP/A5における設定値を確認してみましょう。

●診断を有効にする
 大規模運用の経験を踏まえると、診断データは常に収集しておくのが望ましいといえるでしょう。『通常時は診断を実行せずに、問題が発生してから診断データを収集する』という運用では、通常運用時に診断に伴うパフォーマンスの低下やリソース使用料は発生しませんが、問題が発生した際には再現待ちの時間が生じます。場合によっては、再現のために24時間体制で要員を待機させる必要も発生する可能性があります。そもそも、こうした意図的に再発を待つ作業は、決して顧客にとって最良の選択ではありません。

 問題に対して、そうした後ろ向きの対応をとるのは望ましくありません。診断データを取得していても十分なパフォーマンスが得られるようにクラウドリソースを確保し、運用費用に診断データ取得に伴うリソース使用料を加味することで、問題に対して攻めの対応ができるようにするのがクラウド時代のよいインフラ運用であると言えるでしょう。

 それではWindows Azureの診断を有効にしてみましょう。

●ロールに対して診断を有効にする
 診断の有効/無効はロールごとに設定します。ソリューションエクスプローラで構成用プロジェクトの「HelloFGCPAzureRole」定義ファイルを右クリックして[プロパティ]メニューからダイアログを表示します(図1)。

図1●ロールに対する診断を有効にする
図1●ロールに対する診断を有効にする
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 サービス構成として「すべての構成」を選ぶと診断グループの変更が可能になるので、[診断を有効にする]チェックボックスにチェックします。