マグニチュード9.0、最大震度7。観測史上最大級の大地震は、その揺れだけでなく、大津波、原発事故などを引き起こし、甚大な被害をもたらした。2011年3月11日14時46分の地震発生直後から「この震災で自分たちにできることは何か」という当事者意識に基づいて行動を起こしたのが、富士通の野口直昭(44歳)と生川慎二(42歳)だ。

 いったい何が自分たちにできるのか。それは、被災地に行かない限りわからない。誰よりも速く現地に赴き、行動しながら考えた。3月15日、野口と生川だけの災害支援特別チームが結成された。以後、お互いの得意分野を生かして復旧・復興に携わっている。地震が発生したときから二人が何を考え、どう行動したのか、これから5回に分けてお伝えする。=文中敬称略

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