いま日本の企業経営者の関心事の一つが、グローバル化、つまりグローバルビジネス拡大なことはいうまでもありません。特に、2011年3月の震災以降は、この傾向が急速に強まってきています。

 昨今の日本の市場環境の急激な変化、つまり少子高齢化、継続するデフレ環境、円高、震災後の自粛ムード、不安定な政局などにより、すでにグローバル経営を実行している企業経営者はもとより、今まで日本国内市場だけで勝負してきた企業もグローバルビジネス展開を真剣に、そして大至急加速していかなければならない状況に追い込まれています。

 IBM社が実施した「Global CEO Study」を見てみると、世界のCEOと日本のCEOの間には大きな認識の違いがあります()。

図●IBM社が実施した「Global CEO Study」に見る日本と世界のCEOが考える「自社に重要な影響を与える外部要因」
図●IBM社が実施した調査結果に見る日本と世界のCEOが考える「自社に重要な影響を与える外部要因」(「IBM Global CEO Study 2010 Japan Report」のグラフを一部加工して引用)
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 例えば、「自社に重要な影響を与える外部要因は?」という問いに対して、グローバル企業のCEOは、1.市場の変化、2.技術革新、3.マクロ経済要因、4.人材・スキル、5.法規制、6.グローバル化--という順番で重要と認識しています。それに対して、日本のグローバル企業のCEOは、1.市場の変化、2.グローバル化、3.技術革新、4.環境問題、5.人材・スキル、6.社会経済要因--と回答しています。つまり世界的に見ても、日本の企業経営者の方が今後自社にとってグローバル化が重要であると考えている人が多いということです。