SDN/OpenFlowの一大イベント「Open Networking Summit」の第2回が、2012年4月に米国サンタクララで開催された。規模は大幅に拡大。内容もコンセプチュアルな発表が多かった前回に比べ、事例が多数紹介されるなど、SDN/OpenFlowが商用段階へと進んでいる印象が強まった。
ハードウエアの機種や物理的な配置を意識することなく、ユーザーが必要とするリソースを柔軟に確保し、ネットワークを構成できるコンセプト「Software Defined Network」(SDN)。SDNを実現するためのプロトコル「OpenFlow」とともに、今、ネットワーク業界の最も熱い注目を集めている。
2011年10月に米スタンフォード大学で開催された第1回の「Open Networking Summit」は、SDN/OpenFlowに関わる企業や団体の第一人者が一堂に会した記念碑的な会合となった。
ここでは米グーグルや米ヤフー、米フェイスブックといった大規模サービスプロバイダーが、「ネットワークもサーバーと同様にプログラマブルに制御したい」と、SDN/OpenFlowへの期待を次々と口にした。さらに、SDN/OpenFlowによってネットワーク市場の潮目がどのように変わっていくのか、各ネットワーク機器ベンダーが戦々恐々としている様子も見えた。
それから半年が過ぎた去る2012年4月16日から18日にかけて、米国サンタクララで第2回となる「Open Networking Summit 2012」(ONS2012)が開催された(写真1)。わずか半年のインターバルとはいえ、ONS2012は、第1回会合からガラリと雰囲気が変わった。第1回会合は学術的でコンセプチュアルな印象が強かったが、今回はNECやグーグルなどがキーノートにてSDN/OpenFlowの具体的な事例を多数紹介。SDN/OpenFlowが既に商用段階にあることが示されたからだ。来場者数は前回の350人から850人へと大幅に拡大し、ますますSDN/OpenFlowへの注目度は高まっている。
グーグルがSDNを実運用していた
ONS2012の話題をさらったのは、なんといっても初日最初のキーノートセッションに登壇したグーグルだ。
このキーノートセッションの中で、グーグルのテクニカルインフラストラクチャー部門のシニア・バイスプレジデントでグーグルフェローのウルス・ホルツル氏が、グーグルのデータセンター(DC)間のネットワークは「既に100% SDN/OpenFlowで運用している」ことを明らかにしたからだ(写真2)。自力でハードからSDNまでを作り上げ、グーグルほどの大規模ネットワークでSDN/OpenFlowが実運用に耐えうることを証明した点で、来場者に大きなインパクトを与えた。