問題

問77 図は二つの会社の損益分岐点を示したものである。A社とB社の損益分析に関する記述のうち、適切なものはどれか。

ア A社、B社ともに損益分岐点を超えた等しい売上高のとき、固定費の少ないB社の方がA社よりも利益が大きい。
イ A社はB社より変動費率が小さいので、損益分岐点を超えた等しい売上高のとき、B社に比べて利益が大きい。
ウ 両社の損益分岐点は等しいので、等しい利益を生み出すために必要な売上高は両社とも等しい。
エ 両社は損益分岐点が等しく、固定費も等しいので、売上高が等しければ、損益も等しい。

解説と解答

 損益分岐点とは、収益と費用が等しくなる点、つまり利益がゼロになる売上高です。これ以上売れれば利益が出て、これ以下だと損失になるので、損と益の分岐点というわけです。損益分岐点を超えた場合、収益-費用が利益になります。この時、変動比率が小さいということは、グラフでいうと費用の線の傾きが小さい(A社)ということなので、大きい(B社)よりも利益は大きくなります。

 以上のことから正解はイです。

 A社とB社の損益分岐点はいずれも100ですが、それ以外の場合の利益は異なります。逆にいえば、等しい利益を生み出すために必要な売上高はやはり異なります。その点から他の選択肢は間違いです。

城田 比佐子(しろた・ひさこ)
アイティ・アシストのインストラクター(プロスタッフ)。著書に『3週間完全マスター 基本情報技術者 2012年版』『3週間完全マスター 応用情報技術者 2012年版』などがある。