問題

問75 ある工場で製品A、Bを生産している。製品Aを1トン生産するのに、原料P、Qをそれぞれ4トン、9トン必要とし、製品Bについてもそれぞれ8トン、6トン必要とする。また、製品A、Bの1トン当たりの利益は、それぞれ2万円、3万円である。

 原料Pが40トン、Qが54トンしかないとき、製品A、Bの合計の利益が最大となる生産量を求めるための線形計画問題として、定式化したものはどれか。ここで、製品A、Bの生産量をそれぞれxトン、 yトンとする。

ア 条件 4x+8y≧40
     9x+6y≧54
     x≧0、y≧0
  目的関数 2x+3y→最大化

イ 条件 4x+8y≦40
     9x+6y≦54
     x≧0、y≧0
  目的関数 2x+3y→最大化

ウ 条件 4x+9y≧40
     8x+6y≧54
     x≧0、y≧0
  目的関数 2x+3y→最大化

エ 条件 4x+9y≦40
     8x+6y≦54
     x≧0、y≧0
  目的関数 2x+3y→最大化

解説と解答

 原料ごとに考えます。原料Pは製品Aを1トン生産するのに4トン、製品Bを生産するのに8トン必要です。つまり4x+8yトン必要となります。原料Pは40トンしかありませんから、次の式が成り立ちます。

 4x+8y ≦ 40

 同様に原料Qは製品Aを1トン生産するのに9トン、製品Bを生産するのに6トン必要で、54トンしかないので、次の式が成り立ちます。

 9x+6y ≦ 54

 製品A, Bの生産量は0以上、つまりマイナストン生産するということはあり得ないので、次の式が成り立ちます。

 x ≧ 0, y ≧ 0

 以上の式が制約条件です。この制約条件を満たした上で、利益を最大にするx, yを求めます。製品A, Bの利益がそれぞれ2万円, 3万円なので、それぞれをxトン, yトン生産したときの利益(目的関数)は次の式となります。

 2x+3y

 以上のことから、正解はイです。

 線形計画問題はいくつかの1次式で表わされる制約条件を満たし、かつ1次式で表わされる目的関数を最適化(最大化・最小化)する解を求める数学的手法です。主に限られた資源を最大限に利用したい場合に使われます。

城田 比佐子(しろた・ひさこ)
アイティ・アシストのインストラクター(プロスタッフ)。著書に『3週間完全マスター 基本情報技術者 2012年版』『3週間完全マスター 応用情報技術者 2012年版』などがある。