若手のSEは、これからリーダーの役割を担うようになるだろう。もし何の準備もしていないまま、ある日「リーダーをやってほしい」と上司に言われたら、戸惑ってしまう人が少なくないはずだ。

 ベテランのリーダーたちや、七転八起で奮闘する若手リーダーたちの話から、良きリーダーになるための心構えを紹介する。今はリーダーでなくとも、いつかは担う役割について、よく理解しておこう。

特集『君がリーダー』に登場する若手リーダー、東京海上日動システムズの片山京子氏(左)とカシオ計算機の鈴木知子氏(右)

伝説のITリーダーの失敗学

 「困難な状況を乗り切ったとき、私は大きく成長した」。IT業界が誇る伝説のリーダーたちは、こう口をそろえる。過去の失敗や困難は成長の糧だ。伝説のリーダーたちはどのように考えて困難を乗り切り、何を学んだのか。

失敗を体系化すれば必ず強みになる

仮説と想像力で未経験の壁を越える

「誰のために」仕事をするかで、成否が分かれる

リーダーの流儀

 連載『リーダーの流儀』の筆者である大森久永氏はSE3年目のころ、当時の上司から1枚の紙を渡された。そこには、一流のプロジェクトマネジャ(PM)が守るべきルール15カ条が書かれていた。その内容を理解できるようになったころ、大森氏は三菱東京UFJ銀行の統合プロジェクトで600人を抱えるPMに抜擢された。

1. 人に聞かずに物に聞け

2. テストは塗り絵である

3. 目的と目標を混同するな

4. 会話の痕跡を正しく残せ

5. 要求を具体化せよ

6. 設計書は宝の地図だ

7. 次工程を見切り発車するな

8. 管理の仕掛け作りを怠るな

9. 隣の芝生は“青くない”

10. 「製品」から距離を置け

11. 遅れを取り戻せるのは幻想

12. 居心地のよい“慣れ”を壊せ

13. 非機能のテストを省くな

14. 運用にノウハウを引き継げ

15. 外部システムに関与せよ

若手リーダーの育成

 特集『君がリーダー』では、若きリーダーたちの奮闘を紹介するとともに、10年後にIT部門の主役となるリーダーをどう育成するか、ユーザー企業16社の取り組みを追った。

リーダーは大変だけど面白い

リーダーへの道を踏み出した6人

新世代リーダー育成に挑むIT部門

達人が語る、リーダーの心得