情報システムが扱うデータは爆発的に増えている。膨大なデータをいかに高速に処理するのかに頭を悩ませているエンジニアは多いはずだ。そのとき、性能要件を満たすカギの一つがデータベース設計である。そして実際の設計においては、さまざまなトレードオフでつまづくことが少なくない。例えば、検索性能を優先するとテーブルを非正規化せざるを得ず、データの整合性確保に苦労する、といったケースはその典型である。

 本書は、こうしたトレードオフを理解することを重視して、リレーショナルデータベースの設計について解説しているのが特徴だ。論理設計のパートでは物理設計とのトレードオフを、物理設計のパートでは論理設計とのトレードオフを分かりやすく説明している。これらの知識は、実際のシステムの設計時にすぐに役立つだろう。著者が実際に経験した設計のアンチパターンについても豊富に紹介されており実践的である。

達人に学ぶ DB設計 徹底指南書

達人に学ぶ DB設計 徹底指南書
ミック著
翔泳社発行
2730円(税込)