携帯電話の番号が枯渇するって本当?

(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

  今回の回答者:
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部
電気通信技術システム課 番号企画室 課長補佐
東川 玲

 現在、携帯電話の電話番号には「080+8けた」と「090+8けた」の2種類があります。それぞれ9000万個、合計で1億8000万個の番号を使えることになります。

 ところが、2011年3月末時点で、既に約1億6000万個の番号が携帯電話会社に割り当てられ、未使用なのは約2000万個だけです。2010年1月から12月までの携帯電話の需要から、2014年2月頃には番号が足りなくなるとわかりました。

 この携帯電話の電話番号の枯渇を防ぐには、何らかの方法で番号の総数を増やす必要があります。そこで、番号を増やすために二つの方策が専門家を含めた場で検討されています。

 一つは、従来はPHS向けとされてきた070番号を携帯電話にも使えるようにするという案です。全部で9000万個の070番号のうち、実際にPHSに割り当てられている番号は2000万個だけです。割り当てられていない残りの7000万個を利用します。

 もう一つは、携帯電話の090番号のうち、これまで割り当てられていなかった1000万個の番号を利用するという案です。090番号を「090-CDEFGHJK」と表すと、実はこれまでCのけたでは1~9だけを使っていました。このCに新たに0も使うのです。

 これら二つの方策により、8000万個の番号を携帯電話番号として新たに使えるようになります。

 懸念されるのは、通話相手が070番号なのでPHSだと思っていたら実は携帯電話だったというケースです。PHS同士の通話が無料というサービスもあるため、こうした誤りを起こさないための対策が必要となるでしょう。

 なお、今回の番号枯渇対策と併せて、携帯電話とPHSとの番号ポータビリティの導入も検討されています。つまり、携帯電話のユーザーがPHSサービスに番号ポータビリティで移行すると、PHSでも080番号または090番号が使われることになります。