写真●Microsoftブランドのタブレット端末「Surface」
写真●Microsoftブランドのタブレット端末「Surface」
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 マイクロソフトは6月18日、自社ブランドのタブレット端末「Surface」を発表した。OSにWindows 8のARM版「Windows RT」、またはWindows 8の上位エディション「Windows 8 Pro」を搭載、独自のカバー型薄型キーボードを備えた製品だ(写真)。

 Surfaceはマイクロソフトにとって、家庭用ゲーム機「Xbox」や携帯音楽プレーヤー「Zune」以来の、自社ブランドによるハードウエア製品となる。6月22日現在、出荷時期や価格はもちろん、日本国内での発売の有無さえはっきりしていない。だが、同社が久しぶりに発表した自社ブランド製品ということで、海外メディアなどでは正式発表前から大いに注目を集めていた。

 Webサイトで公開されている情報によると、Surfaceは10.6インチの高精細(HD)ディスプレイ、一体化したスタンドを持つマグネシウム合金製の筐(きょう)体を持つ。重量は、Windows RT搭載モデルが676g、Windows 8 Pro搭載モデルが903g。

 Surfaceの特徴のひとつに、画面カバーがある。薄さ3mmの「Touch Cover」と5mmの「Type Cover」があり、Touch Coverは独自の感圧技術でキーボードおよびタッチパッドとして機能する。もうひとつのType Coverは、より一般的なキーボードに近い感覚でタイピングができるという。

iPadが席巻する世界のタブレット市場

 世界のタブレット市場は現在、アップルのiPadが席巻している。米IDCが6月14日に発表した世界のタブレット出荷台数予想によると、iPadの出荷台数シェアは、2011年の58.2%から2012年には62.5%にまで拡大すると見られている。

 マイクロソフトのこれまでのやり方であれば、自らはハードウエアを手掛けず、パートナーであるパソコンメーカー各社に、Windows 8およびWindows RTを搭載した多様なタブレットを提供させて、iPadに対抗していくと予想されていた。実際、6月初旬に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2012では、複数のパソコンメーカーがWindows 8/Windows RTを搭載したタブレットの試作品を出展していた。

 自社ブランドのタブレット“Surface”の登場は、パートナーとの協業で“エコシステム”を構築してきた、これまでの方針を転換するきっかけになり得るものだ。