米BlueStacks社は2012年3月27日、AndroidアプリをWindowsマシンで動かすためのソフト「BlueStacks App Player」をリリースした。Android搭載機向けのゲームアプリをパソコンの大画面で楽しみたいユーザーには打ってつけのソフトだろう。

図1●「BlueStacks App Player」の画面
図1●「BlueStacks App Player」の画面
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 「BlueStacks App Player」(beta-1)は、Androidアプリケーションの動作環境をWindows上でエミュレーションするソフトウエアである(図1)。既存のAndroidアプリケーションをパソコンでも楽しみたいユーザーに向く。

 同様なソフトウエアとして、米Google社が提供しているAndroidアプリケーション開発キット「Android SDK」に同こんされたエミュレーターを思い浮かべる読者も多いだろう。Android SDKのエミュレーターは、Android搭載機の画面表示や機能を忠実に再現している。使い勝手はほぼAndroid搭載機そのものだ。

 BlueStacks App Playerは独自の画面表示を採用していて、機能もAndroidアプリケーションの検索とインストールに特化している。例えば、Android搭載機のホーム画面に表示される検索フィールドではWebサイトの情報を検索して結果を表示するが、BlueStacks App Playerの検索フィールドでは検索対象がAndroidアプリケーションになっている。

 デフォルトで「Amazon Appstore」「1Mobile Market」「GetJar」の3つのダウンロードサイトが検索対象として登録済み。表示された検索結果をクリックすると、即座にダウンロードとインストールが実行される。

 BlueStacks App Playerと一緒に専用のツールバーがインストールされる。ツールバーにはBlueStacks App Playerにインストール済みアプリケーションのショートカットが登録されていて、クリックするとBlueStacks App Playerのホーム画面を表示することなく直接、アプリケーションが起動する。ユーザーにとってはWindowsアプリケーションと同じようにAndroidアプリケーションを利用できる。

 Linuxユーザーには馴染み深い「Wine」のAndroidアプリケーション対応版と捉えるとイメージしやすい。Androidアプリケーションを動かすだけのエミュレーターと割り切って使うソフトウエアだといえる。

 用途は、Androidアプリケーション限定のゲームをパソコンの大画面で楽しむことが中心になりそうだ。BlueStacks App Playerそのものがパソコンで使うソフトなので、Webブラウザーやメールソフト、スケジュール管理ソフト、YouTube視聴ソフトなどはパソコン用のものを使えばよく、あえてAndroidアプリケーションを使う理由はない。

 注意が必要なのは、すべてのAndoroidアプリケーションをインストールできるわけではないこと。「Google Play」も利用できない。インストール直後はキーボードレイアウトが英語になっている。日本語に切り替えるには、設定メニューの「Keyboard layout setting」で「Japanese」を選択して、BlueStacks App Playerを再起動する必要がある。

 日本語の入力もデフォルトでは利用できない。日本語入力ソフト「ArtIME」のインストールで利用可能になるが、検索フィールドでは日本語入力ができない。