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20代の8割が利用する「ニコニコ」の実像

第4回 リアルとネットの境界を超える「ニコファーレ」 AR機能でライブが進化

大谷 晃司=ITpro 2012/06/28 ITpro

 2012年6月26日、AR(Augmented Reality、拡張現実)を活用した新システムが東京・六本木のドワンゴの施設である「ニコファーレ」で披露された。新システムには特に名称は付けられていないものの、ドワンゴにとってネットの世界とリアルの世界をつなぐ新たな試みとなるものだ。

 具体的には次のようなことができるシステムである。(1)ニコファーレ内では、ステージに設置した透過スクリーンと投影プロジェクターによって、リアルには実在しないキャラクターのライブなどができる(写真1写真2)、(2)インターネット経由のニコニコ生放送でライブを見ている視聴者は、透過スクリーンのキャラクターではなく、会場のライブ映像にCGで作られたキャラクターを合成したARライブを見ることができる、というものだ。

写真1●2012年6月26日にニコファーレで公開された新システムのデモ
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ニコファーレのステージ上に設置された透過スクリーン
[画像のクリックで拡大表示]

 なぜこのようなことができるのか。それは会場内に設置された放送用カメラに偏光フィルターを取り付け、透過スクリーンに投影される映像と直交するように調整しているからだ。投影プロジェクターにも偏光フィルターが付けられている。そこから投影される映像は特定方向に偏光している。それと直交するフィルターを放送用カメラに取り付けることで、会場内のライブの様子は撮影できても、ステージ上の投影映像は撮影できなくなる。

 そして投影映像が写っていないライブ映像にリアルタイムでキャラクターなどのCGを合成。インターネット経由で見ている視聴者は、ライブ会場の雰囲気をそのままにARライブを見ることができる。元々ニコファーレではARを使った演出などをしていたが、今回の新システムはそれをさらに発展させたものだ。リアルの観客もネットの視聴者もお互い同じ会場の雰囲気を共有しつつ、それぞれの環境に最適な映像を見ることができる。

 この新システムのもう一つの特徴が、(3)ユーザーが作成した3DCGムービー作成のフリーソフト「MikuMikuDance」(MMD)のデータをそのままニコファーレで再生し、ライブができる点だ。そのための再生エンジンも今回の新システム導入に当たり開発した。6月26日には、この新システムを使った初のイベントも開催された。

写真3●ニコファーレの技術面の責任者であるドワンゴ ニコニコ事業本部 第一企画開発部 第二セクションの岩城進之介セクションマネージャ
[画像のクリックで拡大表示]

 ニコファーレの技術面の責任者であるドワンゴ ニコニコ事業本部 第一企画開発部 第二セクションの岩城進之介 セクションマネージャ(写真3)は「ユーザーの活躍の場を増やし、リアルとバーチャルの垣根をなくすことを体現したイベントになっている」と説明する。

 岩城氏が言う「ユーザーの活躍の場を増やし、リアルとバーチャルの垣根をなくす」――。これこそがニコファーレの底流にある考え方だ。ネット企業であるドワンゴが作ったリアルの場であるニコファーレとは、そもそもいかなる設備で、ドワンゴにとってどのような役割を担っているのだろうか。以下で見ていこう。

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