WWDCの基調講演に登壇した米アップルCEOのTim Cook氏

 米アップルの年次カンファレンスWWDC(Worldwide Developers Conference)では、毎年大きな発表がある。

 「さて、今年は一体何が出てくるのか?」――。ここ数週間、アップルの動向をめぐって、メディアやネットを通じて様々な“予想”が語られ、大いに盛り上がった。その全貌は、今週、WWDCの開幕とともに明らかになった。

高解像度で薄型の新型MacBook Pro

 今年のWWDCで最も注目されたのは、15.4インチのRetinaディスプレイを搭載した「MacBook Pro」だろう。ディスプレイの解像度は2880×1800ピクセルで、世界で最も高い解像度という。ちなみにiPad(第3世代)のRetinaディスプレイは2048×1536ピクセルだ。

Retinaディスプレイを搭載した「MacBook Pro」。薄さは約18mm

 このMacBook ProのプロセッサーはクアッドコアのCore i7(2.3G~2.7GHz)で、メモリー最大16GB、SSDを最大768GBまで搭載可能だ。それでいて本体の薄さは18mm。先週、COMPUTEX TAIPEI 2012でUltrabook新製品のニュースをたくさん読んだ皆さんの目にも、このMacBook Proは新鮮に映るのではないだろうか(関連記事:COMPUTEX TAIPEI 2012で探る、Ultrabook/Windows 8の最新動向)。

Siriを大幅強化した「iOS 6」

 WWDCのもう一つの目玉は、200以上の新機能を組み込んだという「iOS 6」の発表だ(リリースは今秋)。噂の「iPhone 5」は登場しなかったが、そのソフトウエア面の機能を知ることができる。iOS 6では、音声アシスタント機能「Siri」が大幅に強化された。

 自動車メーカーとの協業により、車の運転中にハンドルから手を離さず、SiriでiPhoneを利用できるようにする連携機能も発表した。世界の大手自動車メーカーを巻き込み、新しい地図システムなどとの組み合わせで、どんなユーザー体験をもたらしてくれるのか、楽しみな機能である。

Siriでスポーツの試合の結果や、レストラン、映画の情報などを調べられる
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ハンドルにあるボタンを押すと、Siriが起動して音声でiPhoneを操作できる
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