ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、2012年6月4日(現地時間)、同年6月5日から開催されるE3の開催に先立って、報道機関向けの発表会を開催した。主な内容は三つある。AR技術を活用した書籍型周辺機器「ワンダーブック」とコンテンツ配信サービス「PlayStation Suite(PSS)」、そして新作ゲームの話題である。
ワンダーブックは、PS3用カメラ「PlayStation Eye」と、ジェスチャー入力システム「PlayStation(PS) Move」の「モーションコントローラ」を組み合わせて利用する(図1)。カメラでワンダーブックを捉えると、その映像の上にコンテンツを重畳して表示する。PS Moveモーションコントローラを使い、コンテンツをインタラクティブに操作して楽しむ。
発表会では、ワンダーブック向けの第1弾ソフトとして「ワンダーブック:ブックオブスペルズ」を紹介(図2)。同ソフトは、ハリー・ポッターの作者で著名な作家J.K. ローリング氏と共同で開発したものである(図3)。ワンダーブックを魔法の書物に、PS Moveのモーションコントローラを魔法の杖に見立てて楽しむことができる。発表会では、魔法の杖で炎を操りながら文字を書いたり、敵を倒したりする実演を見せた(図4)。この他、魔法の書物からキャラクターが出てきたり、立体的な造形物を表示したりした(図5、6)。
ワンダーブック:ブックオブスペルズは、2012 年11 月から欧州で、同年12月から北米で発売する予定。その後、その他の地域でも順次展開する予定だ。
HTC端末が認証を得る
PSSは、Android端末といったゲーム専用機以外にもゲームなどのコンテンツを配信するサービス。「PlayStation Certified」と呼ばれる認証プログラムを得た機器にPSSのコンテンツを配信してきた。これまで同認証を得ていたのはソニー・グループの製品だけだったが、今回同グループ以外で初めて、HTC社の端末にも認証を与えたことを明らかにした(図7)。
加えて、PSSの名称を「PlayStation Mobile」に改めることも発表した。
新作ゲームの中でも特に会場を沸かせたのが、2013年3月に発売予定である、「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズの最新作「God of War: Ascension」(日本語タイトル名未定)」だ(図8)。同シリーズは、2012年5月30日時点で累計2100万本を超える出荷量を誇るヒット作である。
この他、携帯型ゲーム機「PS Vita」で初代「プレイステーション」規格のゲームも遊べるようになることを明らかにした。2012年夏に実施予定のシステムソフトのアップデートを通じて可能になるという。