本連載も、今回でいよいよ最終回となります。今回は、テスティングフレームワークやライブラリの中で近年よく使われるようになってきたものを紹介していきます。
本連載が始まった2008年6月は、Scala言語そのものが注目され始めた時期で、ライブラリは未整備でした。オープンソースのScalaライブラリは少なく、何かしようと思うとJavaのライブラリを直接呼び出すか、ラッパーを自分で書く必要がありました。
翻って現在、完全に成熟しているとはいえないものの、多くの実用Scalaライブラリが登場しています。HTTPクライアント、JSONライブラリ、O/Rマッパ、I/O、コマンドラインパーザ、Webアプリケーションフレームワーク等がいくつも存在しています。
Scalaの主要なライブラリは、前回紹介したビルドツールsbtのビルド定義ファイルbuild.sbtに、どのライブラリのどのバージョンに依存しているかを記述するだけで簡単に使えるようになっています。ライブラリのjarファイルをダウンロードしてクラスパスを通すといった作業はほとんどの場合必要ありません。
そこで本稿では各ライブラリを紹介するときに、同時にbuild.sbtに加える必要がある依存性の記述も紹介します。必要に応じて、皆さんのプロジェクトのbuild.sbtにコピー&ペーストして使ってください。
今回紹介するのは以下の通りです。
- テスティングフレームワーク:Specs 2、ScalaCheck
- HTTPクライアントライブラリ:Dispatch
- O/Rマッパー:Squeryl
- JSONライブラリ:lift-json
- sbtプラグイン:sbt-idea, sbteclipse
- Scalaライブラリのバイナリ互換性