店頭での人気に火が付いたスマートフォン。2008年に登場したiPhoneに加え、米グーグルのOSを搭載したAndroidスマートフォンや米マイクロソフトのOSを搭載したWindows Phoneなども高い注目を集めている。調査会社のBCNによれば、携帯電話の販売台数に占めるスマートフォンの割合は、2011年12月期時点で77%に及ぶ。

 スマートフォンの魅力は、片手で持てる超小型サイズのボディーに、電話機能とパソコンの機能を併せ持つ点にある。パソコンとの親和性も高く、パソコンで作成したPDFファイルやOfficeファイルなどはスマートフォンでそのまま開ける。このため、スマートフォンユーザーには、プライベートだけでなくビジネスでも活用する人が多いのだ。

中身はパソコンそのもの

 スマートフォンを使い始めたところ、通話機能の使い勝手が悪いと嘆いている人もいるのではないだろうか。通話機能に限れば、スマートフォンは従来型の携帯電話(以下、携帯電話)よりも使いにくい(図1)。

図1●スマートフォンを携帯電話の延長で考えると使いにくい
図1●スマートフォンを携帯電話の延長で考えると使いにくい
スマートフォンはタッチで操作する。ボタンで操作する従来の携帯電話に比べて通話機能などは使いにくい。

 携帯電話なら2つ折りの本体を開いたり、ディスプレイをスライドさせたりするだけで、即座に“電話機”になる。ところがスマートフォンは、省電力モードから復帰させた上で、電話機能のボタンを押す必要がある。スマートフォンを携帯電話の延長で捉えると、その一手間がストレスになってしまう。

 実は、スマートフォンの仕組みはパソコンそのもの。CPUやメモリーを搭載し、内蔵のOSで制御されている。通話もできる超小型パソコンなのだ。実際、画面のデザインや操作は、Windowsパソコンと対比すると理解しやすい(図2)。

図2●パソコンと同じ感覚で操作できる
図2●パソコンと同じ感覚で操作できる
スマートフォンはタッチで操作する。ボタンで操作する従来の携帯電話に比べて通話機能などは使いにくい。

 画面表示だけではない。スマートフォンは、パソコンのようにアプリケーション(以下、アプリ)を追加してカスタマイズできるようになっている。標準の機能ではできることは限られており、いかにアプリで機能を充実させるかがスマートフォン活用の鍵となる。現在、Android 搭載機向けのアプリ配信サイト「Android マーケット」や、iPhone向けの「App Store」、Windows Phone向けの「Marketplace」からそれぞれ膨大な数のアプリが公開されている(図3)。

図3●好みのアプリを配信サービスから入手してパワーアップ
図3●好みのアプリを配信サービスから入手してパワーアップ
スマートフォンユーザーは、アプリケーション配信サービスを利用して、好みのアプリを追加できる。スマートフォンの種類ごとに異なるマーケットが用意される。

 インターネット機能もパソコンに近い。一般的な携帯電話だと、携帯電話向けに特化されたサイトを利用するので、パソコンと比べてレイアウトや表示量が異なる。メールもプロバイダーなどが提供するインターネットメールは使えないことがある。

 一方、スマートフォンであればパソコンと同じWebページをそのまま表示でき、メールもインターネットメールが読み込める。メールの送受信やWebでの調べ物といった程度の作業であれば、パソコンを起動することなく済ませられる。