問題

問58 システム監査人の独立性が保たれている状況はどれか。

ア 営業部門の要員を監査チームのメンバに任命し、営業部門における個人情報保護対策についての監査を行わせる。
イ 監査法人からシステム監査人を採用して内部監査人に位置付け、社内の業務システム開発についての監査を行わせる。
ウ システム部門の要員を監査部門に異動させ、システム部門に所属していたときに開発に参加したシステムの保守についての監査を担当させる。
エ 社内の業務システム運用を委託しているITベンダの監査部門に依頼し、社内の業務システム運用についての外部監査を担当させる。

解説と解答

 経済産業省が定める「システム監査基準」にはシステム監査人の独立性、客観性について以下のように記されています。

(1)外観上の独立性
システム監査人は、システム監査を客観的に実施するために、監査対象から独立していなければならない。監査の目的によっては、被監査主体と身分上、密接な利害関係を有することがあってはならない。

(2)精神上の独立性
システム監査人は、システム監査の実施に当たり、偏向を排し、常に公正かつ客観的に監査判断を行わなければならない。

 よって、正解はイとなります。

 他の選択肢は以下の点が、独立性の点から判断して適切ではありませんので、不正解です。

ア:「営業部門の要員」が「営業部門」の監査を行うこと
ウ:「元システム部門」の要員が、「システム部門」の監査を行うこと
エ:「業務システム運用を委託しているITベンダ」が「業務システム運用について」監査を行うこと

鈴木 啓一郎(すずき・けいいちろう)
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストのインストラクタ。新入社員研修や各種ベンダー試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などの対策研修も手がけている。ITストラテジスト、システム監査技術者などの資格を所持。