大量の名刺がたまっているがデジタル化して一発で検索できるようにしたい。市販の名刺管理ソフトよりも、手間も費用もかけずにできないだろうか――。こんなとき、クラウドサービスの「Evernote」を活用すれば、一気に解決するでしょう。

 Evernoteは、テキストや画像といったデジタルデータをサーバー上に保管し、いつでも簡単にアクセスできるクラウドサービスです。名刺データの保管と検索が無料で実現できます。EvernoteはOCR機能も備え、文字を読み取り可能。手書きのメモをスキャンしたものまでOCRで文字認識し、語彙(ごい)検索を可能にしています。

 既に100枚以上の名刺がたまっているとしましょう。Linuxを導入したパソコンにスキャナーを接続。自動紙送り装置(ADF)付きのスキャナーであれば、どんどん名刺を読み込めます。読み込んだ画像をEvernoteのサービスに送信するだけで、名刺管理システムの出来上がり。社名や名前を使って、必要な名刺が検索できるのです。オフラインでもオンラインでも利用可能。あとは、名刺交換のたびに、仕事先からでもスマートフォンを使って入力すれば、わざわざ会社に戻る必要もありません(図1)。

図1●大量名刺を管理して一発検索
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 筆者は過去20年間で交換した名刺はもちろん、作業メモや電化製品の説明書、レシートや領収書もEvernoteに保管しています。手書きのメモもアップロードしていますが、日本語OCRの高い精度には毎回驚かされています。

Evernoteの登録

 Evernoteを利用するには、最初に公式サイトにアクセスし、アカウントを登録します。その後、登録メール宛に送られてくる確認コードを入力すれば、すぐに使用できるようになります。Evernoteには無料版と、有料のプレミアム版があります。最初は無料版を使用し、後でプレミアム版にアップグレードできます(無料版とプレミアム版の違いは後述)。

 無料版では1カ月当たり60Mバイトのデータをアップロード可能。制限いっぱい使用しても、次の月には新たな60Mバイトがアップロード可能になります。保存できるデータ量ではなく、アップロードできる転送量で制限されるため、1度アップロードしたデータを削除しても、制限は解除されません。