問題

問32 DBMSにおけるログファイルの説明として、適切なものはどれか。

ア システムダウンが発生したときにデータベースの回復処理時間を短縮するため、主記憶上の更新データを定期的にディスクに書き出したものである。
イ ディスク障害があってもシステムをすぐに復旧させるため、常に同一データのコピーを別ディスクや別サイトのデータベースに書き出したものである。
ウ ディスク障害からデータベースを回復するため、データベースの内容をディスク単位で複写したものである。
エ データベースの回復処理のため、データの更新前後の値を書き出してデータベースの更新記録を取ったものである。

解説と解答

 DBMSでは性能向上のため、参照、更新等をする際、ハードディスクの内容へアクセスせず、メモリに呼び出したデータに対して参照、更新等を行います。このような目的で使われるメモリを,バッファ(buffer[=緩衝材])と呼びます。バッファのデータは、あるタイミングで、更新を「確定」したときに、ハードディスクに記録します。

 しかしこの方法では、障害が発生した際に、バッファの内容とハードディスクの内容に差異が生じてしまうことがあります。DBMSはそのことに備えて、ログファイルにデータベースの変更前と変更後の情報を保存しています。

 よって、正解はエとなります。

 ユーザによる操作と、DBMS内部の処理を確認しておきましょう。

[画像のクリックで拡大表示]

ア:チェックポイントの説明です。
イ:ディスクのミラーリングの説明です。
ウ:データのバックアップの説明です。

鈴木 啓一郎(すずき・けいいちろう)
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストのインストラクタ。新入社員研修や各種ベンダー試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などの対策研修も手がけている。ITストラテジスト、システム監査技術者などの資格を所持。