問題

問21 仮想記憶システムにおいて主記憶の容量が十分でない場合、プログラムの多重度を増加させるとシステムのオーバヘッドが増加し、アプリケーションのプロセッサ使用率が減少する状態を表すものはどれか。

ア スラッシング
イ フラグメンテーション
ウ ページング
エ ボトルネック

解説と解答

 「仮想記憶システムにおいて」「主記憶の容量が十分でない」「プロセッサ使用率が減少する」というキーワードから正解はアとなります。

 仮想記憶システムは、実装しているメモリ以上のメモリ空間をアプリケーションに提供できる仕組みです。ハードディスクなどの外部記憶装置の一部を、あたかも実装しているメモリの一部であるかのようにして利用することができます。スラッシングはOSが仮想メモリへの入出力にプロセッサの処理時間を多く割り当てたために、アプリケーション側のプロセッサ使用率が減少し、処理が遅くなる状態をいいます。

イ フラグメンテーションを日本語にすると「断片化」です。データがバラバラに切られた形で格納されているので、アクセスの効率が悪くなります。メモリでもハードディスクでも使われる言葉です。
ウ ページングは仮想記憶を使用する際のメモリ管理方式の一つです。仮想アドレス空間を「ページ」と呼ばれる単位に分割し、このページを単位として仮想アドレスと実アドレスの変換を行います。
エ ボトルネックはコンピュータの処理、データ通信、作業プロセスなどにおいて、最も手間や時間を要したり、品質が悪かったりする部分のことです。ビン(ボトル)のクビ(ネック)の部分が他の部分に比して細くなっているイメージです。

城田 比佐子(しろた・ひさこ)
アイティ・アシストのインストラクター(プロスタッフ)。著書に『3週間完全マスター 基本情報技術者 2012年版』『3週間完全マスター 応用情報技術者 2012年版』などがある。