3月9日に「政府情報システム刷新有識者会議」が設置され、第1回会合が4月17日に、第2回会合が4月23日に開催された。筆者も構成員として参加している(図1)。これまでのところ担当閣僚である岡田副総理、古川大臣や関係副大臣、政務官も議論に加わり、緊迫感のある討議が続けられている。今回から、シリーズ「動き出した政府情報システムの刷新」と題して、この有識者会議の検討の過程に筆者の意見を交えて紹介していきたい。5月18日に開催された第3回会合の内容については、次回紹介する。

図1●政府情報システム刷新有識者会議の組織構成
図1●政府情報システム刷新有識者会議の組織構成
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「政府情報システム刷新有識者会議」とは何か

 「政府情報システム刷新有識者会議」とは、政府情報システムの改善・刷新および政府CIO制度などについて検討を行うため、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)および行政改革実行本部の下に置かれた有識者会議である。「政府CIO制度等の検討」については、IT戦略本部が2011年8月3日に決定した「電子行政に関する基本方針」の中の「第5 新たな電子行政の推進体制(政府CIO制度)」において、既に制度設計や導入プロセスなどが具体的に打ち出されており、有識者会議はその実行を引き継いでいる。

 第1回会合で配布された「政府情報システム刷新有識者会議の当面の進め方(案)」によれば、有識者会議は、民主党、国民新党が衆議院に提出中の「行革実行法案(行政改革の総合的かつ集中的な実行に関する法律案)」(本有識者会議関連部分は、法案中の「第3款 行政機関の情報システム等に関する分野」)に関する議論の動向を踏まえつつ、以下の4項目について検討することとされている。

(1)いわゆるレガシーシステムの刷新のための方策
(2)政府情報システムの統廃合・集約化等の方策
(3)IT投資、電子政府施策に係る定量的な評価基準・評価方法
(4)政府CIO制度の導入、CIO補佐官制度等の在り方等