2012年4月24日夜、Androidアプリ開発コンテスト「Android Application Award 2012」(A3 2012)の表彰式。東京・恵比寿の会場に詰めかけた100人近い招待者と関係者は、ステージ上で次々に繰り広げられる熱いプレゼンテーションに固唾を呑んでいた。プレゼンターはいずれも大賞候補作品の作者だ。その様子はUstream.tvやニコニコ生放送によってインターネット配信され、その視聴者もこのプレゼンと最終選考の行方をリアルタイムで見守った。

写真●表彰式のオープニングは、アプリのアイコンが乱舞するムービーが飾った
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写真●舞い踊るアイコンが集まりスマートフォンの形に
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 A3 2012は、Androidを活用したサービスやアプリケーションのアイデアや実装を競うコンテストだ。今年で3回目となる本コンテストは「革新」と「復興」をテーマに掲げ、総エントリー数は280件を突破。いずれ劣らぬ秀作・力作の中からアプリ/Webサービス部門で11作品、アイデア部門で3作品の計14作品がノミネートされ、この日に臨んだ。

 さらに大賞候補となった9作品の作者が会場でプレゼンを行い、作品に込めた思いを披露。6人の特別審査員が事前の審査結果にプレゼン内容を加味し、両部門の大賞を選び出した。この審査方式は、震災復興の支援をテーマとしたA3の特別版「A3 Together」(2011年秋開催)で初めて導入したものである。

個人の開発者が力を発揮した各賞

 決勝プレゼンの前にまず、大賞を除く各賞について表彰が行われた。一連の受賞作で目を引くのは、過去2回のコンテストと比べて個人開発者の存在感が増していること。またAndroidのネイティブアプリだけでなくスマホに対応したWebサービス、外部接続機器やICチップと連携するサービスなどバラエティにも富んでいる。

学生奨励賞は2つの学習アプリ「CodeLibrary」と「NXTDrive」

 表彰の一番手は、学生が開発したアプリやサービスに贈られる「学生奨励賞」だ。同賞に選ばれたのは2作品である。はむへいともんじゃ氏による「CodeLibrary」は、オープンソースのコードをインターネットから取得し、Android端末の画面でいつでもどこでも読めるようにするアプリ。実際のソースコードをプログラミングの自習に活用するためのものだ。

写真●学生奨励賞を受賞したCodeLibraryの作者「はむへいともんじゃ」
左から「はむへいともんじゃ」の堀内公平氏、片山育美氏、審査員のGoogle API Expert 安生真氏
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 一方の「NXTDrive」は岩成達哉氏が開発した。レゴブロックやモーター、タイヤなどの部品を組み立てて作るロボット「LEGO MINDSTORMS NXT」を利用した初心者向けのプログラミング学習用アプリである。利用者がタブレットの画面上でフローチャート形式のプログラムを作り、そのプログラムに従ってロボットを動かすことができる。

写真●学生奨励賞を受賞したNXTDriveの作者 岩成達哉氏
左から岩成達哉氏、審査員のGoogle API Expert 安生真氏
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