米Facebookの新規株式公開が間近に迫るなか、ソーシャルメディアに対する企業の注目も高まっている。かつて企業は顧客とのやりとりや従業員同士の情報交換などのために、電子メールやグループウエアといったコミュニケーションツールを導入してきたが、今その中にソーシャルメディアが加わろうとしている。
業務のやり方、顧客の行動、そして企業自身のあり方などが数年前とは大きく変化しつつあることが背景にありそうだ。変化に合わせる、もしくは自身の変化を促すツールとしてソーシャルメディアは捉えられているようだ。
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社内SNSはコラボレーションを活性化し社員のエンゲージメントを高める
「リアルの仕事がダメならソーシャルメディアもダメ」
もちろん企業がソーシャルメディアを導入する場合、もっと身近な期待も込められている。「人脈を増やしたい」「仕事に役立つ情報を集めたい」「顧客の声を聞きたい」「もっと商品を売りたい」「社内を活性化したい」などだ。
こうした身近な期待に応えるソーシャルメディアの企業導入について、具体的な事例を交えて解説していたのが芦屋広太氏の人気コラム「ソーシャルメディア導入の現場」だ。先月惜しまれつつも連載は終了した。
終了したとしても、この連載で語られた課題や問題点、そしてその解決方法は普遍的なものだ。担当編集者として、芦屋氏が連載のなかで繰り返し述べていた言葉がとてもはっきりと記憶に残っている。
それは「ソーシャルメディアはリアルを忠実に写す鏡」「リアルの仕事がダメならソーシャルメディアもダメ」「リアルが優れていれば、ソーシャルメディアでさらに良くなる」といったリアルが?の担当編集者にとって少々耳の痛い箴言(しんげん)の数々だ。
あらためて全12回に渡った「ソーシャルメディア導入の現場」へのリンクを示した。タイトルをずらっと並べたが、第1回から順番に読むのではなく、どの回から読んでも問題ない構成になっている。Facebookの新規株式公開直前のこの時期、改めて振り返ってみよう。
第1回「Facebookは何が良いのか分からない」という部下
第2回「ソーシャルメディアなら人脈増えるんだろ?」という上司
第3回 ソーシャルメディアの導入を「外部に丸投げする」企画部長
第4回「ソーシャルメディアなんかで情報は集まらない」という営業部長
第6回「ソーシャルメディアで客の声なんて集まらない」という商品部長
第7回「とにかく評判になるソーシャルメディアの取り組みを考えろ」という広報部長
第9回「ソーシャルメディアなんか、効果があいまいなんだよ」という経理部長
第11回「インナーブランディングで社内活性化ができるよな」という人事部長
第12回「上司を友達登録したくないし、書き込みも見られたくない」という若手社員