Windows 8の完成が近づくに連れ、Windows 8の新ユーザーインタフェース環境であるMetroスタイルのアプリケーションからAzureを利用するための環境が充実してきています。「Windows Developer Days」では具体的な事例が紹介されています。そのほか、Azure上でWindowsなどのクライアントを管理するIntuneにモバイル端末の監視機能を追加した新版が発表されるといった新しい動きもありました。

WDDでMetroスタイルアプリを支えるWindows Azureの事例を紹介

[画像のクリックで拡大表示]

 4月24日と25日の2日間で「Windows Developer Days」(WDD)が開催されました。そのキーノート やブレイクアウト セッションなどで、Windows Azureを活用した事例が紹介されています。たとえば以下のような事例がありました。

  • NetVOCALOID on Windows Azure:2日めキーノートの冒頭でクラウディア窓辺(Windows Azure公認キャラクター)の3DCG動画 が公開されました。これは、ヤマハが開発した音声合成技術・製品の「VOCALOID」をネットワーク経由サービスとして提供するNetVOCALOIDがWindows Azureで稼動、Metro対応アプリケーションである「VOCALOID V3 for Metro」と合わせて音声合成から作成した動画の公開までをシームレスに行えるデモが公開されました。
  • 幕末魂(スピリッツ):HTML/javaScript/CSSで構築されたブラウザ オンラインゲームの「幕末魂(スピリッツ)」がWindows Azure+SQL Azureを採用し、ASP.NET で構築されています。
  • ムビチケ:ムビチケが提供する Windows Phone 7アプリケーションである映画前売券購入・座席予約サービス「ムビチケ」のプラットフォームとして、Windows Azureが採用されています。

●関連情報
Windows Developer Days公式サイト
スティーブン シノフスキー 基調講演 @Windows Developer Days](The Official Microsoft Japan Blog)
導入事例:ムビチケ

Azureを使った株式情報提供アプリ「kabu.com for Windows Phone」

[画像のクリックで拡大表示]

 カブドットコム証券は2012年4月27日、Windows AzureをプラットフォームとしたWindows Phone向けの株式情報提供アプリケーション「kabu.com for Windows Phone」をリリース、サービス提供を開始しました。このアプリでは、株式や市場指数、為替などの情報をMetroスタイルで提供します。各種情報を選んでカスタマイズできるダッシュボード機能を提供する「マイページ」や銘柄を選んでタイル状に表示する「お気に入り」、ページをめくるように株価チャートを閲覧できる「トランプチャート」といった機能を装備。また、SNS連携機能や音声読み上げ機能やなども備えています。

 株価情報などの大量かつ高頻度で更新されるデータの解析および提供の基盤としてWindows Azureが採用しています。Windows Azureの分散型メモリー内アプリケーションキャッシュであるWindows Azureキャッシュを活用するなど、クラウドで高負荷処理を実現しています。

●関連情報
Metro UIとクラウド基盤Windows Azureを採用したWindows Phone向け株式情報アプリの提供を開始](カブドットコム証券 プレスリリース)
kabu.com for Windows Phone](アプリ機能紹介)
Metroスタイル アプリケーションの普及に向けて、開発者支援施策「Go Metro」を開始(Metroスタイルの最新情報について)