米国では今、「グリーンデータセンター」を実現するための技術に注目が集まっている。分かりやすい例では、代替エネルギーを使った電力供給、小型で冷却効率の高い空調設備などがある。さらに高度な仕組みを目指し、多くの企業がしのぎを削っている。

企業によるデータセンター利用の増加に伴い、サーバー、ストレージ、プロセッサといったIT機器の総電力消費量が高まっている。クラウドコンピューティングの成長で、データセンター内の高密度(ハイデンシティー)化も進んでいる。事業者にとっては、電力容量の確保が大きな課題になっている。そこで重要になるのがグリーンデータセンターである。
実はグリーンデータセンターは、事業者だけでなくユーザーにとってもメリットがある。まず、代替エネルギーを使った電力により、電気代を抑えられる。同時に、優遇税制や補助金による金銭的なメリットも見込める。また、バックアップ電力のバラエティーが広がり、データセンターの基本性能を高める効果がある。
人工知能とバイオガスを導入
ただ、一口にグリーンデータセンターといっても、省電力化には様々な手段がある。
導入が比較的容易で費用対効果が高いのは、冷気を必要な場所にだけ送風する空気流制御だ。フリーアクセス床の部分密封や、ラックの列間のホットアイルとコールドアイルの整備などが基本である。ほかにもラック内の空いた部分をふさぐパネル配置や、省電力基準を満たすサーバーの利用、LEDやソーラー照明といったエネルギー効率の良い照明装置とその制御といったことがある。
革新的な技術の一例は、空調制御のAI(人工知能)化だ。センター内に多数のワイヤレスセンサーを設置してメッシュネットワークを構築し、排熱データなどをリアルタイムに分析する。これにより、必要な分だけ空調を利用するよう制御できる。
バイオガスで稼働する燃料電池も挙げられる。化石燃料で発電した電力会社の電力よりもCO2排出量が少ないうえ、電力会社の送電システムで生じているエネルギーロスも防げる。
NTTアメリカのサンノゼ・データセンターでは、この双方のシステムを活用し、年間約21万米ドルのコスト削減と、年間4000本の木を植えることに匹敵する160万ポンドのCO2排出を削減できると試算している。
これまで、IT部門の電力消費が環境問題として取り上げられたことは少ない。だが、データセンター数の増加と高密度化が進んでいる現在、注目度は高まる傾向にある。NTTアメリカも、社会的責任(CSR)を果たす意味を含め、電力の効率利用を進めていく。