写真1●日本Vyattaユーザー会のミーティング
写真1●日本Vyattaユーザー会のミーティング
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 「Vyatta」といえば、ここITproで何回も取り上げられているので、既に多くの方がご存知だと思います。パソコンなどにインストールして利用するソフトウエアルーターの一つです。このVyattaの日本でのユーザーコミュニティを「日本Vyattaユーザー会」といいます。同会のミーティングが4月25日に新宿で開催されました(写真1)。私は運営委員の立場で参加してきました。

 VyattaはちょうどVersion 6.4が2012年4月に発表されたばかりです。今回はVyattaユーザー会で議論された内容から、読者のみなさんにとって興味のありそうなものをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

Vyattaの最新トピックから三つを紹介

 今回のVyattaユーザー会におけるラインアップは主に、(1)Vyattaにまつわる近況やTIPS、(2)Vyattaを使ったネットワーク構築事例、(3)Vyatta vPlaneとは何か?、(4)Vyattaの集中管理手法──でした。このうち(1)~(3)をここでは紹介します。

 (1)については、先ほども触れましたが、つい先だってVyattaのVersion6.4が発表となりました。これは、Vyattaが商用製品となってから14番目のリリースだそうです。コミュニティバージョン*1のVyatta Coreについても、4月の終わりにVersion 6.4がリリースされました。

*1 いわゆるオープンソース版のこと。Vyattaは多くのオープンソースのソフトウエアを活用して構成されている。米Vyattaはオープンソース版VyattaであるVyatta Coreを公開し、オープンソースコミュニティに対して情報開示を行うとともに、新たな技術の取り入れにも貢献している。このためVyatta Coreを「コミュニティバージョン」と呼ぶことがある

 また、ここにきて米Vyattaは「Service Provider Production」というプロバイダー向けのライセンス形態を発表しています。実際の詳しい料金体系などはWebページからはわかりませんが、クラウドなどへ展開するにあたって大量なインスタンスを必要とする場合に用いられることを想定しており、料金によるでしょうが、インスタンス数は事実上無限という形になるようです。ただし、日本ではまだこのライセンス形態の取り扱いはありませんから、今後の国内の代理店次第ということになるでしょう。

 さて、Version 6.4になってVyatta自身は何が変わったのでしょうか。実際にはそれほど大きな変更はないようで、コマンド体系に多少の変更が加わった程度です。私は、実は全く気が付きませんでした・・・。