米フェイスブックが中心となって設立した、サーバーハードウエアのオープンソース化を推進する団体、米オープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)ファウンデーションが2012年5月2~3日、米テキサス州サンアントニオで「Open Compute Summit」を開催した。
同サミットでは、フェイスブックが設計したストレージや、幅が21インチという新仕様のサーバーラックなどが新たに公開されたほか、米ヒューレット・パッカード(HP)や米デルなどの大手メーカーがOCP仕様の製品を開発したことなどが明らかになった。基調講演を中心に、サミットの内容をレポートしよう。
データセンター事業者が集まってハード仕様を決定
OCPは元々、フェイスブックが自社設計したサーバーやラック、データセンター設備(電源や冷却ファン)などの設計図をオープンソースとして公開するプロジェクトとして、2011年4月に始まったものである(関連記事)。
フェイスブックがOCPを始めたところ、参加したいという企業が増えたため、フェイスブックは2011年10月に、OCPの運営団体としてOCPファウンデーションを設立した(関連記事)。OCPファウンデーションの役員会には、フェイスブックのほか、米インテルや米ラックスペースホスティング、米アリスタネットワークス、米ゴールドマンサックスが名を連ねる。OCPは現在、単にフェイスブックの設計図をオープンソース化するだけでなく、大規模データセンター事業者が集まって、データセンターに最適なハードウエア仕様を協議する団体へと進化している。
OCPの総会であるOpen Compute Summitが開催されるのは、今回が3回目だ。今回のサミットはサンアントニオにあるラックスペースの本社(写真1)で開催され、500人以上の参加者が集まった。
5月2日の基調講演には、OCPファウンデーションの会長で、米フェイスブックのテクニカルオペレーション担当ディレクターであるフランク・フランコフスキー氏(写真2)が登壇し、OCPの現状などを説明した。
今回のサミットで発表された新施策は以下の5点である。
(1)ストレージやマザーボードに関する新施策
(2)OCP仕様サーバーラック「Open Rack」の詳細
(3)HPやデルによるOpen Rackへの対応
(4)米ヴイエムウェアや英カノニカル(Linuxディストリビューション「Ubuntu」の開発元)によるOCP仕様のサポート
(5)OCP仕様のサーバーをデータセンター事業者に納入する「OCPソリューション・プロバイダー・プログラム」
以下、詳しく解説する。