Androidを搭載したデバイスに向けて提供されている「Google Play」も、スマートフォン人気によるユーザーや開発者の増加を背景に、ダウンロード数や登録アプリ数が急伸。App Storeに迫る勢いを見せている。だが一方で、OSやマーケットの自由度が高いがゆえに、ビジネス展開の難しさやセキュリティ面での不安など、さまざまな課題が表面化している。

急拡大の理由は“自由度”にあり

写真1●Android搭載機向けのマーケット「Google Play」
写真1●Android搭載機向けのマーケット「Google Play」
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 Google Playは、かつて「Androidマーケット」の名称で知られていたが、2012年3月に米Googleは現在の名称に変更。アプリだけでなく映画や音楽、電子書籍など、さまざまなコンテンツを扱う総合的なマーケットへと変化し、現在の名称になった。しかしながら日本で利用できるコンテンツは、いまのところアプリと映画に限られている。そのため日本では、アプリマーケットがGoogle Playの主体となっている(写真1)。

 現在のスマートフォンブームによって、Androidを搭載したスマートフォンやタブレットが急増していることから、Google Playも利用者数や登録アプリ数が急拡大している。具体的に見ると、ダウンロード数は2011年3月には30億だったが、7月には60億、そして12月には100億ダウンロードと急速にその数を増やしている。またアプリ登録数も約45万に達すると言われており、規模的にもApp Storeに近づきつつあるようだ。

 だがGoogle Playがユーザーや開発者から支持を集める理由は、App Storeとは大きく異なっている。具体的には次の二つが挙げられる。一つはAndroid自体がオープンかつ無償で提供されていること。非常に幅広いデバイスに搭載されており、iOS以上に幅広い層のユーザーに利用されていることが挙げられる。もう一つは、Google Playは実質的に審査がないこと。開発者が登録したらすぐに公開可能である点も、制約が少なく自由度の高い、オープンな環境を求める開発者に人気が出る要因になっている。

 つまり、デバイスおよびアプリの自由度が高く、App Storeと比べ制約が少ないことから、より幅広いジャンルのアプリを、いち早く提供できるのが、Google Playの魅力になっている。