スマートフォン向けサービスのコンテスト「A3 2012」。2012年4月24日に決勝プレゼンが開催され(関連記事)、280以上のエントリーの中から勝ち抜いた、アプリ/Webサービス部門とアイデア部門それぞれ1作品の大賞が選出された。ランチャーアプリ「NinjaLauncher」と自転車シェアリングのアイデア「COGOO」である。

ホームUIの革新、画面を見ずに指先だけでアプリ起動
<アプリ/Webサービス部門 大賞>NinjaLauncher(BlindLauncher)
作者:唐鎌千里

 電話のあり方をがらりと変えたスマートフォン。指先であらゆる情報を操作するそのユーザーインタフェースは、人々の情報への接し方を革新した。しかし「現在のスマートフォンのホーム画面は、パソコンのデスクトップと同じアイコンの羅列。パソコンの模倣でしかない」と、A3 3012 大賞を受賞した「NinjaLauncher」の作者、唐鎌千里氏は言う。

 NinjaLauncherは、指先で操る、というスマートフォンの特徴を最大限に生かし、画面を見ることなく指先のタップ&フリックだけで望みのアプリを起動できるランチャーアプリだ。

 まずは設定画面で上・左・下・右の4方向に起動したいアプリを登録。ホーム画面に戻り、ダブルタップ→任意の方向へフリックという動作でアプリが起動する。バイブ機能により触感だけで起動したかどうかが分かるため、アクションさえ覚えておけば、画面を見ることなくポケットの中でもアプリの起動が可能だ。慣れてくれば、ホーム画面からショートカットアイコンをなくすこともできる。

 この「スマートフォンにしかできないユーザー体験」(唐鎌氏)を生み出すため、唐鎌氏は「ランチャーの固定観念を捨て、プロトタイプを作っては捨ててを繰り返した」という。

写真●ホーム画面はそのままに、ランチャー機能が利用できる
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写真●アプリの登録画面。上下左右に4つ登録が可能
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 無料版のNinjaLauncher(BlindLauncher)は最大4つまでしかアプリを登録できないが、有料版(100円)の「NinjaLauncher Unlimited」は無制限に登録できる。

 さらに便利な機能として、専用の「隠密ロック画面」を表示させ、「任意の方向へフリック」という2つの動作でアプリを起動できる「隠密モード」がある。隠密ロック画面は、左右どちらか一方の画面端を下になぞることで表示でき、ホーム画面のみならずメールやブラウザーなど別のアプリ画面からでも呼び出すことができる。

写真●隠密モードの隠密ロック画面。下段中央のアイコンをタップすれば、元の画面に戻れる
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写真●ランチャー機能は、ライブ壁紙で有効にできる
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 忍者というネーミングは、タップ&フリックの操作を手裏剣を投げる動作に見立てたもの。それだけでなく、「影から忍者のように支える」という作者の思いも込めているという。