通信4グループの次世代通信サービスが出そろった。2012年2月24日にソフトバンクモバイルのTD-LTE互換サービス「SoftBank 4G」、3月15日にイー・アクセスのLTEサービス「EMOBI LTE」がスタート。先行していたUQコミュニケーションズ(KDDIグループ)のモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」、NTTドコモのLTEサービス「Xi」に続いた。

 4サービスは料金、通信制限のルール、通信速度などが異なる。

 料金については、期間限定のキャンペーンを除くと、主力のプランはNTTドコモとソフトバンクモバイルが5985円、UQコミュニケーションズとイー・アクセスが3880円と二分化している(図1)。ただし、ソフトバンクはスマートフォンとセットで利用した場合の料金を、期間限定で3880円に設定しており、将来的には各サービスの料金は「3880円」に収れんしそうな気配だ。

図1●次世代通信方式による高速データ通信の料金体系<br>期間限定キャンペーンを除き、各社が主力とする料金体系について比較した。
図1●次世代通信方式による高速データ通信の料金体系
期間限定キャンペーンを除き、各社が主力とする料金体系について比較した。
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 通信制限もサービスごとに異なる。UQコミュニケーションズ以外の3社は、1カ月のデータ通信量が一定のしきい値を超えると通信速度が制限される。その理由を事業者各社は、ユーザーへの公平性の確保としている。しきい値はソフトバンクが5Gバイト、ドコモが7Gバイト、イー・アクセスが10Gバイトである。ソフトバンクとドコモは2Gバイト当たり2625円の追加料金で、速度制限を回避できるメニューも用意する。

 ただ、速度制限を適用する通信量は、最小のソフトバンクと最大のイー・アクセスで2倍も異なる。事業者間の競争やネットワークの混雑具合によって、速度制限するデータ量のしきい値は変わっていきそうだ。なお、現時点ではどのサービスも速度制限を実施していない。ソフトバンクとドコモは2012年10月から、イー・アクセスは2014年5月からの実施となる。

 通信速度はソフトバンクが、下り最大110Mビット/秒とカタログスペック値で最速となっている。ただし、唯一の対応製品であるモバイルルーター「ULTRA WiFi 4G」は下り最大76Mビット/秒という仕様である。イー・アクセスとドコモは同一の通信方式を利用するため、ともに下り最大75Mビット/秒だ。UQコミュニケーションズは下り最大40Mビット/秒で、後発サービスに比べるとやや見劣りしてきた。早ければ2012年に下り最大165Mビット/秒の次世代方式「WiMAX 2」の導入を計画する。