Hitach Incident Response Team

 米アップルから、Flashbackを検知・削除するツールがセキュリティアップデートとしてリリースされました。Flashbackは、Mac OS X環境で感染するマルウエアで、4月11日時点で65万5700台(Dr.WEB)、27万台程度(シマンテック)の感染が報告されています。

 さて、4月15日までに明らかになった脆弱性情報のうち、気になるものを紹介します。それぞれ、ベンダーが提供する情報などを参考に対処してください。

米アドビ システムズ製品に複数の脆弱性

■Adobe Reader X(10.1.3)、Adobe Reader 9.5.1リリース:APSB12-08(2012/04/10)

 Windows、Macintosh版Adobe ReaderならびにAcrobatのバージョン10.1.3、9.5.1がリリースされました(図1)。これらのリリースでは、メモリー破損、整数オーバーフローに起因する任意のコード実行を許してしまう脆弱性4件を解決しています。

図1●Adobe Readerのリリース回数
図1●Adobe Readerのリリース回数

■Adobe Flash Player 11.2.202.233リリース(2012/04/13)

 Adobe Flash Player 11.2.202.233がリリースされました(図2 )。このリリースに関連して、脆弱性に関する新しい報告はありません。

図2●Adobe Flash Playerのリリース回数
図2●Adobe Flash Playerのリリース回数

マイクロソフト2012年4月の月例セキュリティアップデート(2012/04/11)

 4月の月例セキュリティアップデートでは、6件のセキュリティ更新プログラムを公開し、11件のセキュリティ問題を解決しています。脆弱性による影響は、リモートからの任意のコード実行9件、なりすまし、情報漏洩です。

 脆弱性の悪用については4月18日に、Windowsコモンコントロールの脆弱性(MS12-027、CVE-2012-0158)を悪用した侵害活動が報告されています。侵害活動は、脆弱性を悪用するRTF形式のMicrosoft Wordファイル(.doc)を電子メールに添付するというものです。

Tomcat 7.0.27リリース(2012/04/05)

 Tomcat 7.0.27は、機能強化とバグの修正を目的としたリリースで、セキュリティアップデートは含まれていません。新たな機能として、Webサーバーとブラウザーとの双方向通信を実現するWebSocketプロトコル(RFC6455)がサポートされました。サポートに当たり、ストリーミング用APIとメッセージング用APIが提供されています。

Samba 3.6.4、3.5.14、3.4.16リリース(2012/04/10)

 Samba 3.6.4、3.5.14、3.4.16では、任意のコード実行を許してしまう脆弱性(CVE-2012-1182)を解決しています。脆弱性はsmbdのRPC処理に存在し、認証操作が不要で、不正なRPCパケットを受信した際に、管理者権限での任意のコード実行が可能になるというものです。Samba 3.0.x~3.6.3に影響があります。