デルの「XPS 13」は、インテルが提唱するノートPCの新規格「Ultrabook」に準拠した最新の薄型ノートPCだ(写真1)。XPS 13は、2012年1月にラスベガスで開催されたCESで最初に発表された。その後、2月末には北米で、3月13日には日本でも発売となった。
デルの「XPS」シリーズにはハイエンド志向の製品群に加え、薄型ノートPCとして「XPS z」というシリーズがある。UltrabookのXPS 13は前者の「XPS」シリーズに位置付けられている。
XPS 13は、本体の厚さが21mm以下、バッテリーで5時間以上動作(8時間以上を推奨)、休止状態から7秒以内で復帰、1000ドル以下のモデルを含む――といったUltrabookとしての要件を満たしている。ノートPCとしては低価格ながら、性能やデザインでは妥協していない点が特徴だ。
今回は、発売されたばかりのXPS 13について詳細にレビューしていこう。
評価機の仕様を確認しよう
評価に用いるXPS 13の仕様は、デルのオンラインストアで購入可能な「スタンダード」モデルと同等だ。主なスペックは表1のようになっている。
CPU | Intel Core i5-2467M 1.60GHz (Turbo Boost時最大2.3GHz) |
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メモリー | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD |
GPU | Intel HD Graphics 3000 |
ディスプレイ | 13.3インチ、1366x768ピクセル |
OS | Windows 7 Home Premium(64ビット) |
CPUには、第2世代のCoreプロセッサー(Sandy Bridge)を搭載している。GPUはオンボードの内蔵グラフィックス、ストレージとしてSSDを使用するなど、Ultrabookとしてもスタンダードな構成だ。
日本での販売価格は8万9980円。米国での価格はほぼ同じスペックのモデルが999.99ドルとなっている。
オンラインストアでの購入時には、オプションとしてCore i7-2637M 1.70GHz(Turbo Boost時最大2.8GHz)や、256GバイトのSSDを選択できる。ただしメモリーを増設するオプションはなく、標準の4Gバイトが最大となっている。
寸法はコンパクトだが電源ケーブルがやや重い
まずUltrabookの特徴でもある薄さについては、XPS 13の本体寸法は316mm(幅)×205mm(奥行き)×6~18mm(高さ)となっており、しっかりとUltrabookの要件を満たしている。さらに特筆すべきは、13.3インチのディスプレイを搭載するノートPCとしては底面積が小さいという点だ。
同じ13インチのMacBook Airと重ねてみると、XPS 13のほうが横幅、奥行きともに一回り小さいことが分かる(写真2)。
奥行きについてはLenovoのThinkPad X201s(12インチ)と同等となっている。バッグに収納しやすいだけでなく、奥行きの限られる新幹線や飛行機のテーブルでも使いやすいといえる。
重量はカタログ値で1.36kgとなっている。実測してみたところ、1363gとほぼカタログ通りだった。ただし本体が小さいために、持ってみると見た目よりも重く感じる。
ACアダプタは想像していたより一回り小型のサイズだったが、重量は実測で282gあった(写真3)。実はACアダプタ本体は184gと軽量なのだが、重くて太い電源コードが付属しており、これが単体で98gあるのだ。
本体と合わせて持ち運ぶ場合の総重量は1645gとなり、13インチのノートPCとしては標準的な重量といえるだろう。