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失敗するクラウド

活用段階で露見した問題(2)必要リソースの減少に気づかなかった

2012/04/16 ITpro

 クラウドの特徴の1つである「使った分だけコストを支払う」の実現は、実は難しい。このようなクラウドのメリットを引き出すには、サービス利用ユーザーの増減を把握して、サービス契約をタイムリーに見直すマネジメントが求められる。

クニエ ITマネジメントサポートグループ
山本 真、櫻井 敬昭

 前回の『活用段階で露見した問題(1)あり得ない初歩的なミス』では、クラウドサービスを使って直行直帰型の営業スタイルを実現しようとしたC社の事例を紹介した。同社はワークスタイルの変革には成功したが、当初想定していた計画よりも効果の創出が遅れてしまった。また、クラウドサービスの弾力的利用能力を活かせなかった。

 C社では、社内でしか利用することのできなかったシステムをクラウドの営業支援サービスにより社外からでも利用できる環境を整えた。だが、メールによる顧客からの問い合わせには自社に戻って対応しなければならず、その改善に多くの時間を費やしてしまった。また営業担当者の人員削減を少しずつ進めていたものの、使わなくなったIDの削除申請が遅れ、営業支援サービスの運用コストを無駄に支払う結果も招いてしまった。

 今回はC社の失敗事例に対する解説編として、「なぜそのような状況が生まれてしまったのか」、また「どうすれば回避できたのか」を考察していく。ポイントは2つある。事業部門のクラウド化案件を把握し、情報システム部が関与していくための「システム化案件管理」、そしてクラウド活用の柔軟性を活かすための「利用状況のモニタリング」だ。

実は情報システム部は“蚊帳の外”だった

 それでは直行直帰型のワークスタイルの実現に向けて、SaaSの営業支援システムの導入はうまく進められたにも関わらず、社外からメールを参照できない問題の発見と解決に時間がかかってしまったことから検討してみよう。

 C社では、事業部門の発案により一定規模以上のシステム化案件が発生したら、案件情報がシステム部門にも伝わるように申請プロセスが整備されている。例えば、営業部門が営業業務改革活動をシステム化も含めて実施する場合に、システム化の概算費用も含めて稟議にかけることになる。その際、資産計上される金額が5000万円以上、もしくはシステムの維持にかかる費用が年間2000万円以上の案件であれば、情報システム部も承認ルートに組み込まれるようになっている。この仕組みにより、ある程度大きなシステム化案件であれば、情報システム部はどこの事業部で、どのような計画を立てているのか事前に把握できた。

 それが今回のクラウド化では落とし穴になってしまった。

 C社の営業支援システムの導入では、クラウドサービスの利用により資産化されるものがなかったことに加え、システムの初期費用に約500万円、利用費用に約1000万円/年を想定しており、最も金額が膨らむ初年度でさえ、年度ごとの契約に必要な費用は約1500万円であった。そのため、稟議の承認ルートに情報システム部門は入らず、今回の案件を事前にキャッチすることができなかった。既存システムのリプレースとなるため、データの移行や既存システムの廃止に向けて、部分的にはメンバーとして参画したのだが、取り組みの全体計画に対して主体的には参画していなかったのだ。

 営業部としても、メールを社外から利用する必要性は当然理解していた。しかし、多くの顧客企業で社外のメール利用環境を目の当たりにしていたため、「必要ならすぐにでも実現できる」と思い込んでいた。

 こうした状況のもと、通常のシステム化案件ではあり得ないほど初歩的な設計ミスが発生してしまったわけだ。クラウドという未知なものに、社内のマネジメントが追いついていなかった結果といえよう。

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