今回の投稿では、前回に続いてブランク氏スタンフォード大学の「リーン・ローンチパッド・クラス」のプレゼンテーションを紹介しています。ブランク氏の活動は、既に動き始めているNSF(全米科学財団)のほか、コロンビア大学など東海岸にも広がっているようです。(ITpro)
今回の投稿は、2012年リーン・ローンチパッド・クラスの残り4チームの最終報告です。
ParkPoint Capitalチーム(訳者注:米国への移住者に金融サービスを提供する事業。同社は、キャンパス・キャピタル・ネットワークに社名を変更)
このチームは、326人の顧客と面談しました。よくあることですが、当初このチームは自分たちの事業が「これまで銀行と取り引きがなかった顧客に対して融資すること」だと信じていました。8週間後には、米国への移住者に対して金融サービスを提供する事業になりました。その間、多くを学び、何度もピボット(方向転換)しました。
スライド・プレゼンテーションは、こちらで見られます。ParkPoint Capitalの「顧客探しの物語風ブログ」は、こちらで公開されています。
このチームは、学んだことを分かりやすくまとめています。
学んだこと1「あなたの顧客を知りなさい」
・実際に顧客に会って、初めて現実の課題が分かった
・顧客との15分は、クラスの10時間に値する
学んだこと2「早い時期に、失敗を経験しよう」
・間違っていることを認めよう
・感情的になり時間がかかるかも知れないが、柔軟な姿勢を保とう
・批評を奨励し、受け入れよう
学んだこと3「MBAクラスの枠を出よう」
・論理的モデルの限界を察知しよう
・早くから頻繁に建物外に出よう
・謙虚であろう
DentalOpticsチーム(訳者注:歯根膜の疾患を自動的に検査する機器の事業)
DentalOpticsチームは、72人の顧客と面談しました。このチームは、当初の歯科医の口腔内照明の解決方法の事業から、歯根膜の疾患を自動的にテストする方法の事業へと変わりました。このチームが最終目的地に到達するまでには、驚くべきストーリーがありました。
スライド・プレゼンテーションは、こちらで見ることができます。DentalOpticsの「顧客探しの物語風ブログ」は、こちらをご覧ください。
MiCasaチーム(訳者注:賃貸住宅とアパートをオンラインで探すサービス事業)
105人の顧客と話し、さらに98人の顧客をサーベイしました。このチームが、顧客セグメントを通してどのようにピボットしたかは、スライドの最後にあるビジネスモデル・キャンバスで見られます。アントレプレナーシップ・アクションの最初のフィルムです。
スライド・プレゼンテーションは、こちらにあります。MiCasaの「顧客探しの物語風ブログ」は、こちらで見られます。
ZiiLionチーム(訳者注:中国のFacebookと呼ばれる人人(レンレン)向けのアプリで、中国の大学でのイベント企画を容易にする)
中国で154人の顧客とインタビューし、加えて48人を対象にオンラインで調査しました。このチームは、非常に困難なことをやろうとしてます。スタンフォード大に在学しながら、「人人」ためのイベント企画のアプリを開発しようとしているのですから。チームは多くを学びながら、何度もピボットしています。
スライド・プレゼンテーションは、こちらで見られます。ZiiLionの「顧客探しの物語風ブログ」は、こちらにあります。
皆さん、修了おめでとうございます。よくやりましたね。そして、私たちも良い勉強になりました。
3月19日からは、NSFのイノベーション部隊(I-Coprs.)の25チームに対してリーン・ローンチパッド・クラスを教えます。そして3月22日からのNCIIA会議では、私たちがリーン・ローンチパッド・クラスで学んだことを、他のアントレプレナー教育者たちと共有します。4月には、「大手企業でのアントレプレナーシップ」を、コロンビア大学で教えます。
―生徒たちは、既に結成されたチームとして参加します
―チームのビジネスモデル・キャンバスが、クラスへの願書になります
―カリキュラムは、ビジネスモデル・キャンバスと顧客開発です
―講義は最小限で、ほとんどは実地に経験することです
―しつこいくらいに顧客訪問を行います(毎週10~20件)
―顧客の発見過程は、オンライン・ジャーナルに物語風に記述します・各チームには、ベンチャーキャピタル(VC)あるいは経験のあるアントレプレナー1人が、メンターとして参加します
―教育者チームは、オフィスアワーを必須としています
―すべてのチームが、毎週クラスで報告します
―顧客の発見過程の批評を毎週行います
―プレゼンテーションのやり方と物語風ブログの書き方のワークショップを提供します
―リーン・ローンチパッド・クラスの教材はこちらを参照して下さい
(2012年3月14日オリジナル版投稿、翻訳:山本雄洋、木村寛子)
著書に、スタートアップ企業を構築するための「The Four Steps to the Epiphany」(邦題「アントレプレナーの教科書新規事業を成功させる4つのステップ」、2009年5月、翔泳社発行)がある。