世界の携帯加入数を地域別で見たとき、アフリカは2009年時点で5位だった。それが2011年6月時点ではアジア太平洋に次ぐ2位に浮上。他地域をしのぐ急成長を遂げたアフリカ携帯市場のトレンドを、2G/3G、ポストペイド/プリペイド、音声/データの比率などから探る。


 携帯電話の国際的な業界団体であるGSMAは2011年11月、アフリカ携帯市場の現況を各種統計データに基づいて分析した初の報告書「African Mobile Observatory 2011」を発表した。この報告書を基に、近年目覚ましい急成長を遂げているアフリカ携帯市場の最新動向を紹介する。

加入数は6億2000万に

 アフリカは54カ国もの国々から成り、世界人口の約15%に当たる約10億人を擁する。このアフリカで、近年、携帯市場が爆発的な成長を見せている。2011年9月時点の携帯加入数(稼働SIMベース)は6億2000万に達した。地域別で中南米を追い抜き、アジア太平洋に次ぐ世界2位に浮上した(図1)。

図1●世界の地域別携帯加入数(稼働SIMベース)の推移<br>図中のカッコ内は全体に対する比率。
図1●世界の地域別携帯加入数(稼働SIMベース)の推移
図中のカッコ内は全体に対する比率。
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 携帯加入数の年平均成長率(CAGR)を見ると、アフリカは既にトップである。2007~2011年のCAGRは22%。アジア太平洋の21%を1ポイント上回った。2011~2015年は唯一の2桁成長が見込まれ、高い潜在的成長力を有する地域といえる。

普及率も6割超

 普及率(稼働SIMベース)も著しい上昇を遂げる。2005年に15%だった普及率は2010年に50%を超え、2011年9月時点で63%となった。2015年時点の加入数予測は9億1000万であり、この場合の普及率は85%に上昇し、携帯先進国のレベルに近づく勢いだ。