企業にとって、情報システムの重要性はますます高まっている。同時に、情報システムの構築方法には、クラウドコンピューティングという新しい形態が広がりつつある。著者は、こうした背景から情報システム部門の役割も変わらなければいけないと説いている。特に、企業内の業務プロセスの“お目付け役”としての役割が、新たに求められているという。
本書の前半は、情報システム部門の役割がどう変遷してきたかを整理した上で、実際の情報システム部門の実態と問題点を分析。理想通りにいかない現実の様子がよく分かる。後半は、情報システム部門がどう変わるべきかを解説。「システムアーキテクト」「ビジネスモデル/プロセスの管理・改革者」といった役割ごとにあるべき姿を分かりやすく説明している。情報システム部門のエンジニアにとっても、情報システム部門と一緒に仕事をするSI会社のエンジニアにとっても参考になる一冊といえる。
クラウド時代の情報システム部
桐谷 恵介/宮下 毅著
中央経済社発行
2730円(税込)