野村総合研究所のアナリストが5年先のビジネスや社会に広く影響を及ぼす可能性が高いIT(情報技術)を展望したのが本書。クラウドコンピューティングやタブレット端末、ソーシャルメディアなど5つの技術領域を紹介、「スマートTV」など新サービスにも触れている。

 5年後の重要技術の1例として、本書はソーシャルCRMの進化を挙げる。ソーシャルメディアの役割が単に消費者の声を集めるだけにとどまらず、消費者と企業が濃密な関係を築いた状態である「エンゲージメント」を確立する道具になると指摘する。ユーザー企業のIT担当者にとって、最新技術の導入や活用を考えるうえでの手引書になり得る1冊だ。

ITロードマップ 2012年版

ITロードマップ 2012年版
野村総合研究所 イノベーション開発部著
東洋経済新報社発行
2310円(税込)