写真1●CeBITで展示された最新のUltrabook
写真1●CeBITで展示された最新のUltrabook
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 今年はパソコン(PC)が再び注目を集める年となりそうだ。Intelが、「Ultrabook」という薄型軽量でバッテリーが長持ちする新ノートPCのコンセプトを提唱し、世界的に大規模なプロモーションを展開。各PCベンダーからも続々と新しいUltrabook製品が登場し、ここ数年押され気味だったスマートフォンやタブレットに逆襲を図るはずだ。

 そうした中、3月6日よりドイツ・ハノーバーで開催されたCeBIT 2012において、未発売のものを含め最新のUltrabookが多数展示された(写真1)。ここでは、CeBITで登場した最新Ultrabookをまとめて紹介し、これから登場するUltrabookの世界をいち早く概観してみよう。

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多様化していくUltrabook

 すでに店頭には、Intelの第2世代Coreプロセッサ「Sandy Bridge」を搭載したUltrabookが並んでいる。『Ultrabook』の定義について、Intelは一般向けに要件を公開していないものの、目安としては厚さ20mm以下、5時間以上のバッテリー駆動が可能で、1000ドル程度のノートPCとなっている。

 2012年春以降に、Intelは第3世代Coreプロセッサ「Ivy Bridge」の出荷を予定しており、これを搭載する次世代のUltrabookも次々と登場してくる見込みだ。CPUの強化以外にも、USB 3.0ポートや、IntelとAppleが推進する高速データ転送規格「Thunderbolt」を搭載する機種が増加する見込みだ。

 これまでのUltrabookは、ライバルとみなされることが多いAppleのMacBook Airのラインナップを意識してか、11~13インチの画面を搭載した比較的小型のものが多かった。だが、今後は14~15インチという中型のUltrabookが増えることで、ラインナップは多様化する傾向にある。

 Intelは2012年中に75種類以上のUltrabookが登場すると予測しており、ノートPC市場において一大勢力となる可能性が高い。ノートPCを活用する人々はもちろん、タブレットへの移行を迷っている人々にとっても注目のジャンルといえるだろう。