ソフトバンクモバイルは2012年2月27日、同社指定の固定通信サービスとスマートフォンをセットで利用した場合に、スマートフォンのパケット通信料を割り引くキャンペーン「スマホBB割」を、2012年3月5日から5月31日まで実施すると発表した。

 スマホBB割では、「パケットし放題フラット(iPhone向け)」を利用している場合、通常4410円の月額定額料が、最大25カ月間430円引きの月額3980円となる。同様に「パケットし放題フラット for スマートフォン(SoftBank スマートフォン向け)」を利用している場合、通常5460円の月額定額料が、最大25カ月間1480円引きの3980円となり、それ以降も980円引きの月額4480円となる。家族が利用するスマートフォンも最大10回線まで割引対象となる。KDDIが先立って発表したスマートフォンユーザー向けの割引プラン「auスマートバリュー」に対抗する内容だ。

 組み合わせの対象となる固定通信サービスは、ソフトバンクモバイルが提供するADSLと固定電話のセットメニュー「ホワイトBB」と、ソフトバンクテレコムと提携している各ケーブルテレビ事業者が提供するインターネットサービスとIP電話「ケーブルライン」、TOKAIコミュニケーションズが提供する「ひかりdeネット」と「ひかりdeトーク(S)」である。

 また対象となる固定通信サービスを提供しているケーブルテレビ事業者は、エフビットコミュニケーションズ、笠岡放送、帯広シティーケーブル、テレビ岸和田、ニューメディア、ラッキータウンテレビ、九州テレ・コミュニケーションズ、近鉄ケーブルネットワーク、こまどりケーブル、徳島中央テレビ、長崎県壱岐市(壱岐市ケーブルテレビ)、飛騨高山ケーブルネットワーク、TOKAIコミュニケーションズ、ドリームウェーブ静岡、いちはらコミュニティー・ネットワーク・テレビ、厚木伊勢原ケーブルネットワーク、イースト・コミュニケーションズ、倉敷ケーブルテレビの計18事業者、20局となる。ソフトバンクによるとキャンペーン期間中にさらに提携先が増え、最終的には22事業者25局の固定通信サービスが対象となる予定である。

Yahoo! BBが適用対象外の理由

 今回、他社の固定通信サービスが割り引き適用の対象となるのに対して、グループ内のソフトバンクBBが提供するADSLサービス「Yahoo! BB」はスマホBB割の適用対象外である。この点についてソフトバンクは、「Yahoo! BB向けには、ソフトバンクの携帯電話機とセット利用した場合にYahoo! BBの月額利用料を980~1000円割り引く『Yahoo! BBホワイトプラン』を提供しているため」と説明した。またスマホBB割のキャンペーン期間については「申し込み状況などを見ながら、延長することもあり得る」という。

 今回の取り組みについては、参加事業者の期待も高い。グループ企業の6社がスマホBB割に参加するTOKAIコミュニケーションズは「MVNOで無線通信サービスに参入することも検討したが、コスト面から実現していない。ソフトバンクモバイルの販売代理店をしていることもあり、今後固定通信と無線通信のサービスが融合することも視野に入れながら、ソフトバンクとの連携を強めたい」と意気込みを述べた。

ソフトバンクのサービス未提供の事業者も参画

 さらにソフトバンクモバイルと九州通信ネットワーク(QTNet)は同日、スマホBB割とは別に、QTNetが提供する「BBIQ」および「BBIQ光電話」の利用者を対象とした同様の割り引きキャンペーン「スマホBBIQ割(仮称)」を発表した。同キャンペーンでは、最大2年間スマートフォン1台当たり月額利用料を430円、最大5回線まで割り引く予定である。申し込み受付期間は、今春から6カ月間を予定している。

 スマホBB割はソフトバンクグループが提供する何らかのサービスを利用している事業者が対象だが、QTNetとはそうした関係がない。ソフトバンクはQTNet以外にも同様のスキームで、これまでサービス面で繋がりのなかった固定通信事業者と積極的に提携を進める方針だ。ケーブルテレビやFTTHなど業態を限定せずに、お互いのサービス加入者によるクロスセル促進を目的として、前向きに検討したいという。