Android端末に感染するウイルスが猛烈な勢いで増えている。もし感染するとどうなるのか、画面周りに生じる変化とウイルスが行う不正通信について検証した。その結果、ウイルスと気付くにはアプリケーションのインストール画面を確認することが肝心で、感染後に気付くのは難しいことが分かった。

 Android端末が急速に普及しつつある。企業システムの端末としても活用が進んでいる。

 それに歩調を合わせるかのように、Android端末に感染するウイルスが猛烈な勢いで増えている。2010年12月末から2011年9月末までに確認されたウイルスの種類は累計で243だったのに対して、2011年10月には1カ月間でそれを上回る290種類が新たに確認された。

 Android端末のセキュリティ対策を検討する上で、もしウイルスに感染するとどうなるのか知っておきたい。そこで、2011年に存在が確認された2種類のウイルス、具体的には通話の内容やSMS(ショートメッセージサービス)のメッセージを盗み取る「ANDROIDOS_NICKISPY.A」(以下、ニッキースパイ)、および遠隔操作を可能にする「ANDROIDOS_SPYGOLD.A」(同、スパイゴールド)に感染させ、画面周りにどのような変化が生じ、どのような不正通信が行われるのか調べた。

図1●導入時の画面確認が肝心
図1●導入時の画面確認が肝心
アプリの機能から考えて不必要な項目が表示されたら、ウイルスの可能性が疑われる。ひとたびインストールすると、後からウイルスの感染に気付くのは難しいので、この画面を注意深く確認する必要がある
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 その結果、ウイルスと気付くにはアプリケーション(以下、アプリ)のインストール画面をきっちり確認することが肝心であり、後から感染に気付くのは難しいことが分かった。アプリのインストール画面には、ウイルスの気配が現れる(図1)。もしアプリの機能から考えて不必要な項目が表示されたら、ウイルスの可能性があるのだ。